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2025年07月01日火曜日
ホームニュース【制度改革】外国人の国民健康保険滞納情報、在留資格更新の審査材料に…納付率63%で日本人と30ポイント差

【制度改革】外国人の国民健康保険滞納情報、在留資格更新の審査材料に…納付率63%で日本人と30ポイント差

引用:Depositphotos

政府は外国人の国民健康保険納付実態を正確に把握するため、来年からシステム改編に着手すると日本経済新聞が10日報じた。早ければ2027年から納付遅延情報を在留資格審査に反映させる方針だ。納付率向上を通じて健保制度の信頼性を高める狙いがある。

この方針は政府の経済財政運営・改革の基本方針に盛り込まれる。草案には「納付未履行情報及び診療費未納情報を連携し、在留審査に有効活用する方策を検討する」と明記されている。

3か月以上滞在し、企業の健康保険組合などに加入していない留学生らは国民健康保険に加入する。2023年度時点で外国人の加入者は約97万人で全体の4%を占め、その半数以上が20~39歳だった。

だが、現行の健保システムは国籍や在留資格情報を含まないため、多くの自治体が外国人の納付率すら把握できていない。厚生労働省が納付者名義が外国人の場合に限り独自集計可能な150自治体を調査したところ、2024年末時点で外国人の納付率は63%にとどまった。同時点の日本人を含む全体の納付率は93%だった。 政府は2020年12月から自治体が外国人納付者に督促状送付や財産差し押さえなどを行った場合、出入国在留管理庁に情報提供するよう求めたが、4月時点で28自治体しか対応していない。 外国人の滞納情報は2027年からデジタル庁の公共サービス部門に組み込まれ、入国管理局が在留資格審査の際に参照できるようにする。滞納者は在留資格更新不許可などの措置を受ける可能性がある。

また、自治体には住民登録時に1年分の保険料前納を求める条例・規則改正を促す方針だ。

現在、外国人が健保全体の診療費や高額療養費支給額に占める割合は1%台で、被保険者全体と比べ低水準にとどまっている。

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