
ロシアが北朝鮮にイラン製自爆ドローン(無人機)技術を移転しており、朝鮮半島の軍事バランスに変化をもたらす可能性があるとウクライナ軍情報機関のトップが主張した。
9日、米軍事専門メディア「ザ・ウォーゾーン」によると、ウクライナ国防省情報総局(GUR)のキリーロ・ブダノフ局長は、ロシアが北朝鮮に自爆ドローン「シャヒード136」の生産技術を移転する予定だと明らかにしたという。
ブダノフ局長は「北朝鮮領内で『ガルピヤ』と『ゲラン』タイプの無人機生産能力を構築するための合意が成立した」とし、「これは明らかに南北間の軍事バランスに変化をもたらすだろう」と述べた。ガルピヤはロシアが中国製エンジンと部品で生産する攻撃用ドローンで、ゲランはイラン製ドローン、シャヒード136のロシア版だ。
シャヒード136は、ロシアのウクライナ侵攻以降、最も深刻な空の脅威となっている。ウクライナ空軍によると、ロシアは最近1日で479機のシャヒード136と誘導ミサイルを発射したという。ロシアは現在、月2,000機のシャヒード136を生産しており、今後は月5,000機まで生産量を増やす計画だ。このドローンは射程、搭載量、接続性、攻撃パターンが継続的に改善されている。
北朝鮮がこの技術を取得すれば、韓国全土を攻撃できる能力を持つことになり、韓国の防空網を無力化して追加攻撃の足がかりになる可能性があると同メディアは伝えた。また、このように生産されたドローンは、ロシアのウクライナ戦争支援用として輸出される可能性もある。
ブダノフ局長は、ロシアの支援により北朝鮮の短距離弾道ミサイル「KN-23」の精度が大幅に向上したと伝えた。ウクライナ検察の報告書によると、初期には約半数のミサイルが軌道を逸脱したり空中爆発したりするなど深刻な欠陥を示していた。しかし現在は、正確に目標を攻撃するなど、精度が大幅に改善されたという。
ブダノフ局長は「(弾道ミサイルKN-23が)ロシアに移転され始めた時は数kmの誤差があったが、今では正確に目標を攻撃している」とし、「これはロシアと北朝鮮の専門家たちの共同研究の成果だ」と述べた。さらに「これにより他の複数の弾道ミサイルの性能も向上し、朝鮮半島を超えて脅威が拡散する可能性が高い」とし、「北朝鮮に対するロシアの(軍事的)支援が朝鮮半島の力のバランスを変えるだろう」と主張した。また、ロシアが北朝鮮に長距離空対空ミサイル、潜水艦、核弾頭搭載可能な弾道ミサイルに関連する技術も支援していると述べた。
北朝鮮はロシアに大規模な武器を支援し、兵力も派兵している。ブダノフ局長によると、ロシアに提供された北朝鮮製の武器は240mm多連装ロケット砲、170mm曲射砲などだという。彼は「現在、ロシアに曲射砲120門が供給されたという情報がある」とし、「かなり良い性能を示しており、供給が続くと予想される」と述べた。
現在、ロシアのクルスク州には1万1,000人の北朝鮮軍が駐留している。最近、ロシアの安全保障トップであるセルゲイ・ショイグ安全保障会議書記が北朝鮮を訪問し、ロシアに北朝鮮労働者を派遣する協定も締結したとされる。これらの労働者の一部はロシア国防省と契約を結び、軍務に就くと予想されると伝えた。