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「大統領と呼びたくない」トランプ政権に抗う民衆の声、怒りのデモが全米各地へ拡大!

竹内智子 アクセス  

LA・ニューヨークなどで「ノー・キングス」集会

政権2期目で最大規模の反トランプデモ

引用:TheAtlantic
引用:TheAtlantic

「今朝、ミネソタ州で民主党の議員2人が殺害された。アメリカはもはや、私が思い描いていた国ではない」

14日(現地時間)、米サンフランシスコのドロレス公園で取材に応じたキャロル・トンプソン氏(63)とレオナード・トンプソン氏夫妻はこう語った。レオナード氏は、「私は彼のことを大統領と呼びたくない。彼の振る舞いはまるで権威主義国家の独裁者のようだ」と厳しく非難した。二人は、ミュージカル『レ・ミゼラブル』で民衆が闘う場面の歌詞の一部を引用し、王冠をかぶったトランプ大統領のイラストに書き添えていた。

この日、ドロレス公園にはトンプソン夫妻と同様にトランプ大統領に反対する「ノー・キングス(No Kings)」の抗議者たちが集結した。市庁舎前の広場までの行進には、1万人以上が参加したと報じられている。

匿名を希望するホンジュラス出身の移民の一人は、「私は合法的に来たが、両親や家族は不法滞在の身だ」と語り、「彼らを守るためにここに来た」と明かした。

先週、ロサンゼルスでは、アメリカ合衆国移民・関税執行局(ICE)に反対する暴力的な抗議デモが発生し、今回のデモに一層の注目が集まったが、参加者たちは単なる移民問題にとどまらず、トランプ政権の政策全般に対する反対の意思を示していた。

「関税はアメリカ国民に課せられる税だ」と書かれたプラカードを掲げていたリサ・ベルン氏(62)は、「トランプ氏は私たちの友人たちを敵にしている」と述べ、「私の日本人の友人は、入国を拒否されることを恐れて、両親に会いに行けずにいる」と憤りをあらわにした。彼女は「これはトランプ氏のせいで、私たちが変わったわけではないと友人たちに伝えた」と語った。

デモの参加者は白人やヒスパニック系が中心だったが、アジア系や黒人の姿も一部見られた。フィリピン系アジア人のアリン・ワタナベ氏(50)は、「トランプ氏の反移民的な姿勢は、アジア系にも不安を与えている」と語り、「私は両親がフィリピンから渡ってきた移民2世だが、トランプ氏のせいで、うちの子どもたちにとってアメリカがいまだに『母国』ではないように感じられている」と訴えた。

今回のデモが「ノー・キングス」と呼ばれているのは、ドナルド・トランプ大統領が民主国家の指導者というより、権威主義国家の独裁者のように振る舞っているとの批判に基づいている。

同日、アメリカ陸軍創設250周年を記念する軍事パレードが首都ワシントンD.C.で開催されたことも、物議を醸した。奇しくもその日はトランプ大統領の誕生日でもあり、独裁国家が指導者の誕生日に大規模な軍事パレードを行う姿と重なって見えたからだ。

サンフランシスコと並び進歩的な傾向が強い米東部のニューヨーク市には、さらに大規模な人々が集結した。悪天候の中、マンハッタン中心部のブライアント・パークには、反トランプを訴える群衆が詰めかけ、次々とシュプレヒコールを上げた。

ニューヨーク市警(NYPD)の推計によれば、デモの参加者は約5万人に上ったという。参加者らはブライアント・パークを出発し、5番街を南下するかたちで行進した。

ニュージャージー州から参加したケビン・パウエル氏(37)は、「移民・関税執行局が法的手続きを無視して移民を容赦なく取り締まっている。トランプ政権のやり方に怒り、団結した声を示すためにここに来た」とし、「かつてのナチス・ドイツの独裁体制と何ら変わらない」と厳しく批判した。さらに「議会が機能せず、司法も対応が遅いなかで、最終的にはアメリカ市民が行動するしかない」と強調した。

7歳の子どもと共に参加したブルックリン在住のエマ・スミス氏(32)は、「子どもに、不正義に沈黙していては正義を実現できないことを教えるためにデモに参加した」と述べ、「正義なくして平和はない」と語った。

ロサンゼルスからニューヨークまで飛んできたパット・ランバート氏(30)は、「アメリカは移民が築いた国だ。移民の苦しみに沈黙する社会は後退する」と述べ、トランプ政権を批判した。

先週、大規模な暴力的抗議が発生したロサンゼルスでは、主催者側の発表によると約20万人が行進に参加したという。しかし、行進終了後に一部のデモ隊が解散を拒否し、警察がゴム弾を使用して鎮圧に乗り出す場面もあった。

サンフランシスコ、ニューヨーク、ロサンゼルス、フィラデルフィアなど、全米各地の主要都市で行われた「ノー・キングス」デモには、数十万人規模の人々が参加したとみられている。これは、今年1月にトランプ大統領が就任して以来、最大規模の抗議行動となった。

引用:wikipedia
引用:wikipedia

軍事パレードを理由に、主要都市の中で唯一「ノー・キングス」デモが行われなかったワシントンD.C.では、トランプ大統領自らがパレードを視察した。第1期目では反対に遭い実現できなかったが、第2期目にしてついに開催にこぎつけたのである。

パレードは午後6時頃から、ワシントンD.C.の象徴であるリンカーン記念館からワシントン記念塔までの区間で行われた。米陸軍によると、当日のパレードには兵士約約6,700人の兵士のほか、150台の車両、50機の航空機、34頭の馬も登場したという。

トランプ大統領は、メラニア夫人、ピート・ヘグセス国防長官らと共に、ホワイトハウス近くに設置された大型ステージから兵士たちの行進を見守り、ときおり起立して軍人たちの敬礼に自らも敬礼を返していた。

ワシントン・ポスト(WP)などによると、アメリカ国内でこれほどの規模の軍事パレードが行われるのは、1991年の湾岸戦争勝利を記念したパレード以来、34年ぶりだという。

トランプ大統領は「このパレードは自身の誕生日とは無関係だ」と強調していたが、結果的に誕生日に軍を利用したとの印象を与える格好となった。CNNによれば、トランプ氏がステージに上がった際、一部の観客が誕生日を祝う歌を歌う姿も見られたという。

J.D.バンス副大統領はトランプ氏に先立って登壇し、この日がトランプ大統領の誕生日であると同時に、自身の結婚記念日でもあるとコメントした。

また、歌手のリー・グリーンウッド氏もこのイベントに登場し、トランプ大統領のキャンペーンソングで有名な「God Bless The USA(ゴッド・ブレス・ザ・USA)」を披露し、誕生日を祝ったという。

竹内智子
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