
米国がイスラエルとイランの武力衝突に直接介入する可能性が高まっている。米国のドナルド・トランプ大統領がイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相をもはや制御できず、米国が状況を主導できない可能性を認識したためだ。前回の大統領選で回避すると公約した戦争に参戦することになる。
17日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)など米メディアによると、米国がイスラエルを支援し、イランの核施設攻撃に直接参加することを検討している状況が次々と明らかになっているという。この日、トランプ大統領はイスラエルとイランの休戦以上の解決策を模索していると強調した。休戦ではなく真の終結を望んでいると述べた。そして、イランの最高指導者、アリー・ハーメネイー氏を直接脅し、イランに無条件降伏を要求した。
トランプ大統領はネタニヤフ首相ではなく、自身の考えでイランに対処したいと考え、自らの交渉力に自信を持っていたが、イランが自分を欺いていると考えるようになった。特にイランが先月4日に米国の交渉案を拒否した後、トランプ大統領はイランが交渉に真剣に取り組んでいないと感じ始めた。また、交渉の進展が遅いことにトランプ大統領は苛立ちを覚えた。
これを受け、トランプ大統領はイスラエルのイラン攻撃を「我々」という表現を用いて、米国が対イラン攻撃に参加する可能性を明確に示唆した。彼は自ら立ち上げたSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「我々は今やイラン上空の絶対的な支配権を持っている」と述べた。イランの制空権を掌握する主体をイスラエルではなく米国とイスラエルという「我々」として表現したのだ。
これまでトランプ大統領はイランとの交渉妥結を望んできた。しかし、イランを直接攻撃することで、イランとの交渉においてより強力な立場に立てると考え始めたのだ。また、これはトランプ大統領がネタニヤフ首相を完全には信頼していないことも大きく影響している。
米国とイスラエルはイランの核兵器開発を阻止するという共通の目標を持っているが、最近の米国とイランの関係は両国の長年の不信感によって大きく揺らいでいる。ここで決定的だったのは、先月末にイスラエルがトランプ大統領の外交努力とは無関係にイランを攻撃するという情報だった。これを受け、トランプ大統領は「イランと交渉する気分ではない」と強調した。
トランプ大統領が検討している米国のイラン攻撃案は3つに要約されるとNYTは報じている。現在、米国中央軍はイスラエルに空中給油と情報支援を行い、最小限の介入にとどめる案と、イスラエルと共にイランの核施設を攻撃する案を検討している。
特にイスラエルのネタニヤフ首相は、米国がイランのフォルドゥ核施設を爆撃するよう執拗に要求し続けている。米軍のB-2爆撃機が投下する米国製の大型バンカーバスター「GBU-57」のみが、イランの山岳地域フォルドゥに深く埋設された核濃縮施設を破壊できるからだ。
これに加えて、米軍のB-1・B-2爆撃機、空母、潜水艦から発射される巡航ミサイルを活用し、米軍が軍事作戦を主導し、イスラエルが支援役を担うオプションもトランプ大統領の選択肢に含まれている。すでに米原子力空母ニミッツは中東に向かっている。空母ニミッツには5,000人の兵員と戦闘機を含む60機以上の航空機が搭載できる。多数の空中給油機も欧州に移動しており、いつでも作戦に投入できる態勢にある。
一方、米国がイスラエルとイランの武力衝突に直接参加する場合、イランは中東の米軍基地に対する報復攻撃のためミサイルなどを準備していると米国は見ている。
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