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2025年06月20日金曜日
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【資金繰り×部材流通×AI可視化】三菱UFJ×NTTデータが創る“半導体の情報血管”に期待高まる

引用:NTTデータ
引用:NTTデータ

三菱UFJ銀行とNTTデータが、半導体関連企業の在庫・生産データを統合的に管理する情報プラットフォームの構築に乗り出す。国内の半導体供給網を強化し、金融支援と連動させる先進的な取り組みとして注目を集めている。

両社は近く基本合意を発表する見通しで、TSMCの進出によって設備投資が進む九州エリアで2025年中に実証実験を開始。2026年の正式サービス開始を経て、全国展開を目指すという。国内で半導体サプライチェーンの情報インフラを構築する試みは初めてとなる。

新たなプラットフォームは、企業ごとの在庫や生産状況を可視化し、部品の供給効率を高めると同時に、在庫を担保にした融資スキームを通じて資金流動性の向上も狙う。信用力の数値化機能なども盛り込み、資金繰り支援とサプライチェーンの最適化を両立させる構造だ。

対象は半導体製造装置メーカーや素材企業だけにとどまらず、サプライヤーや中小企業など数万社規模を想定。需給予測が難しい半導体業界において、情報共有によって過剰在庫の削減や投資判断の精度向上が期待される。

政府も2030年までに国内半導体関連企業の売上高を3倍増の15兆円超に拡大する目標を掲げており、今回の取り組みはその実現にも資するものと位置づけられている。

一方で、在庫や生産に関するデータの開示に慎重な企業も少なくない。こうした懸念に対し、両社は「持続可能性」など非競争分野の情報共有にとどめた形で実証を進め、融資などの金融支援をパッケージ化することで、より多くの企業参加を促す方針を示している。

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