
米国が中東戦争に介入した。米国は要塞化されたイランの核施設3か所に対し、奇襲的に「バンカーバスター」(地中貫通爆弾)などを大量投下した。 イランは報復を宣言し、中東情勢は戦争拡大など重大な岐路に立たされている。 イランの報復方法次第では、国際原油価格が大幅に変動する見込みであり、貿易戦争などで打撃を受けた世界経済の不確実性はさらに増大することとなった。
米国のドナルド・トランプ大統領は21日(現地時間)、ソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」を通じ、「フォルドゥ、ナタンズ、エスファハーンなどイランの3つの核施設に対し、極めて成功裏に軍事作戦を完了した」と発表した。その後の国民向け演説で「イランの主要な核濃縮施設は完全に破壊された」と述べた。フォルドゥはイランの代表的な核施設で、核兵器開発のためのウラン濃縮などが進められてきた。
トランプ大統領は、イランが核兵器開発能力を完全に放棄しない限り、より強力な攻撃を受けることになると警告した。彼は「イランには平和か悲劇しかない。その悲劇は過去8日間に目にしたものよりはるかに大きい」とし、核放棄がなければ追加攻撃が行われることを示唆した。トランプ大統領はこの件に関し、「中東の不良国家イランは今こそ平和を構築すべきだ。そうしなければ、今後の攻撃はさらに強力で容易なものとなるだろう」と述べた。
イランは即座に報復を予告した。イランのアッバース・アラーグチー外相はソーシャルメディアで「米国の攻撃に対し、イランには正当な対応の権利がある」とし、「主権と国益を守るためにあらゆる選択肢を有している」と警告した。イラン原子力庁(AEOI)も「核の殉教者たちの血の上に築かれたこの国家産業(核)の発展を決して止めることはない」と表明した。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、B-2爆撃機6機がフォルドゥ核施設に13.6トン級のバンカーバスター12発を投下し、米海軍の潜水艦がナタンズとエスファハーンの核施設にトマホークミサイル30発を発射したという。バンカーバスターは地中深くに貫通して爆発するよう設計された空中投下型の超大型貫通爆弾で、実戦使用は今回が初めてとなる。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、イランの報復方法について、米国とその同盟国を攻撃するか、原油海上輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖する可能性があると報じた。イランがホルムズ海峡を封鎖すれば、短期的に原油価格が急騰する可能性がある。JPモルガンは最近の報告書で、ホルムズ海峡が封鎖され中東戦争が拡大すれば、国際原油価格が1バレル当たり120~130ドル(約1万7,624~1万9,092円)に達する可能性があると予測した。
攻撃を受けたイランの核施設が完全に破壊されたかどうかは確認されていない。米国はイランの主要な核施設をすべて破壊したと主張しているが、イランは大きな被害はなかったと発表している。イランのある議員はイラン・ファルス通信に対し、フォルドゥ施設が深刻な損傷を受けておらず、被害はほとんど「地上部分に限られており、復旧可能」だと伝えた。
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