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米下院は安全保障上の懸念から、メタ・プラットフォームズのメッセージアプリWhatsAppの使用を禁止した。
23日付のフィナンシャル・タイムズ(FT)やアクシオスによると、キャサリン・シュピンドール米下院最高行政責任者(CAO)は同日、議会スタッフに対し、30日から政府支給端末でのWhatsApp使用を禁止すると通達した。
WhatsAppはフェイスブック、インスタグラムと並ぶメタの主要SNSプラットフォームで、月間アクティブユーザー数は30億人に達する。
アクシオスが入手した内部メールによれば、シュピンドールCAOはWhatsAppを「ユーザーに高リスクをもたらすアプリ」と位置付け、理由に▲ユーザーデータ保護方法の透明性不足、▲保存データの暗号化不備、▲使用に関連する潜在的セキュリティ脅威を挙げた。
メールには「モバイル、デスクトップ、ウェブブラウザ版を含む全ての下院端末でのWhatsAppのダウンロードおよび保存を禁止する」「議会管理端末にWhatsAppがインストールされている場合は削除を指示する」と明記された。
現在、米下院で公式に承認されているメッセージアプリは、マイクロソフト(MS)のTeams、Signal、アップルのiMessageとFaceTime、アマゾンのWickrである。
シュピンドールCAOは「下院の保護は最優先であり、下院議員とスタッフのデータを脅かすサイバーセキュリティリスクを常時監視・分析している」「下院承認アプリリストは定期的に見直し、必要に応じて変更する」と説明した。
メタはこの措置に強く反発した。メタ広報担当のアンディ・ストーン氏は「下院CAOの評価に断固として反対する」と述べ、「議員とスタッフがWhatsAppを使用していることは承知しており、上院同様、下院も公式にWhatsAppを採用することを期待している」と続けた。
さらに「WhatsAppの通信は標準でエンドツーエンド暗号化が施され、第三者が内容を閲覧することはできない」としたうえで、「これはCAOが承認したリストにある他のほとんどのアプリよりも高度なセキュリティレベルだ」と強調した。
一方、アクシオスは、下院CAOが近年、TikTok、DeepSeek、マイクロソフトのCopilotに対して部分的な使用制限措置を講じ、ChatGPTについても有料版の「ChatGPTプラス」のみ使用を許可していると報じた。
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