
25日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ以外の国を標的にする可能性について「あり得る」と発言した。
オランダ・ハーグで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の記者会見で、プーチン大統領の領土的野心を問われたトランプ大統領は、「彼はその戦争を終わらせるべき人物だ」と述べたうえで、「私は彼を誤った判断を下した人間(misguided)だと見ている」と語った。
ただし、ロシアの侵攻を「危機(crisis)」と表現したことに関しては、ロシアの同盟国が頻繁に用いる用語であるため、ウクライナ側は否定的に受け止めているという指摘もある。トランプ大統領はさらに、「ひとつだけ確かなのは、プーチンはこの戦争から抜け出したがっているということだ」とも述べた。「彼にとってもこれは滅茶苦茶な状態だ」と言及し、ロシアの脅威を過小評価しているのではないかとの印象を残した。
今回の発言は、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「ロシアが欧州で新たな軍事作戦を準備しているとの情報を得た」と発表してから数日後に出たものだ。欧州各国では現在、ロシアとの全面戦争の可能性も視野に入れた危機管理の必要性が強調されている。
NATOのマルク・ルッテ事務総長も、今回の会議において「ロシアと中国がもたらす現実的な脅威に加盟国は向き合う必要がある」と訴えた。
プーチン大統領は20日(現地時間)、ウクライナ北東部スームィ地域の占領の可能性を示唆し、「ウクライナ全体は我々のものだ」との強硬発言もしている。
一方、トランプ大統領は会見に先立って行われたゼレンスキー大統領との会談について「非常に良いミーティングだった」と評価し、「いまこそ戦争を終わらせる絶好のタイミングだと思う。プーチンと直接話し、停戦が可能かどうかを確認したい」と述べた。「ゼレンスキーは勇敢に戦っている。非常に困難な戦いだ」とも言及した。
さらに、ウクライナが求めているパトリオット・ミサイルについても「アメリカが一部支援できるか検討する」との考えを示した。ここ数週間、ロシアはキーウを含むウクライナの複数の主要都市に対してドローンやミサイルによる攻撃を激化させており、多数の民間人が死傷する被害が出ている。
注目の記事