ハメネイ師「イスラエルは崩壊寸前、米国の核施設攻撃は成果なし」 沈黙破って主張

26日(現地時間)、イランの最高指導者アリー・ハーメネイー師が映像演説に登場し、自国がイスラエルと米国に勝利したと宣言した。24日にドナルド・トランプ米大統領の要請によりイスラエルとイランが停戦合意して以来、初めての発言となる。
イラン国営『IRNA』や『ファルス通信』によると、ハーメネイー師は「偉大なる国家イランがシオニストの偽りの政権(イスラエル)に勝利した」とし、「シオニスト政権はイラン・イスラム共和国の攻撃によってほぼ崩壊し、多層の防空網は突破された。ミサイルと先端兵器によって都市や軍事地域の広範囲が破壊された」と語った。
さらに「イランは米国にも勝利した」とし、「米国はシオニスト政権が滅びることを恐れ自ら戦争に踏み込んだが、何ひとつ得られず、イランは米国に屈辱を与えた」と主張した。
米国による核施設攻撃についても「米国は我々の核施設に違法な攻撃を行ったが、実質的な成果はなかった。トランプは芝居がかった誇張を繰り返しているにすぎない」と断じた。
また、「イランは米軍のアル・ウデイド基地を攻撃して損害を与えたが、米国はこの事実を隠そうとした。イランは地域内のどの米軍拠点に対しても、必要なときにはいつでも行動できる」と警告した。
ハーメネイー師はトランプ大統領の「イランは降伏すべきだ」という発言について、「イランの文化的・文明的豊かさは米国やその同盟国の何倍も深く、イランが他国に屈するなどという考えは荒唐無稽」と一蹴した。
22日には、米軍がイランの核施設フォルドーにバンカーバスターを投下した翌日、「シオニストの敵が重大な過ちを犯し、大罪を犯した。必ず報復する」と警告していた。
なお、ハーメネイー師はイスラエルとの衝突期間中、公の場に姿を見せていなかった。一部報道では、暗殺の懸念から地下バンカーに避難していた可能性があると伝えられている。
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