米国におけるビットコイン現物上場投資信託(ETF)は、今回の市場上昇サイクルにおいて主要な原動力となり、機関投資家による資金流入を牽引している。

過去18カ月間で、これらのETFはビットコインの時価総額全体の6.25%を占めており、市場における存在感を一層強めた。
市場アナリストのアクセル・アドラー・ジュニア氏は、最近ソーシャルメディア「X」への投稿で、直近3カ月間の米国ビットコイン現物ETFにおける資産増加の傾向が顕著であると指摘した。
同氏によると、グレースケール(Grayscale)のGBTCを除いた純資産ベースで、ETFが保有するビットコインは今年4月の93万2,000BTCから105万6,000BTCまで増加したという。
この期間中、合計12万4,000BTCの純流入があり、1日平均では1,430BTCの資金流入があったことになる。
中でもブラックロック(BlackRock)のIBITは、全体の増加分の大半を占めており、直近87日間で11万8,000BTCを吸収。これは1日平均1,360BTCに相当する。
一方で、残りの11銘柄による合計で6,000BTC、つまり1日あたり約70BTCの流入にとどまり、投資の集中傾向が顕著に表れた。
アドラー・ジュニア氏は、「現在のペースが維持されれば、9月までに米国ビットコイン現物ETFの総保有量は184万BTCに達する可能性がある」と予測している。これは流通しているビットコイン全体の9.25%に相当する規模だ。このうちブラックロックのIBITは約81万7,000BTCを保有することになると見込まれている。
また、グレースケールのGBTCの現在の純資産規模は197億9,000万ドル(約2兆8,467億8,476万1,986円)で、これにアドラー・ジュニア氏の予測値を加えると、米国のビットコイン現物ETF全体の純資産は1,975億4,000万ドル(約28兆4,160億6,174万2,428円)を大きく上回ると予想される。
一方、ビットコイン価格は30日(日本時間)午後3時時点で前日比0.9%上昇し、10万8,300ドル(約1,577万8,902円)台で取引されている。
ビットコインは、今年5月末に11万1,970ドル(約1,610万6,830円)という史上最高値を記録して以来、10万〜11万ドル(約1,438万5,424円~1,582万3,967円)の範囲内で上下動を繰り返している。
暗号資産専門メディア「ビットコイニスト」などの分析によると、ビットコインはまだ新たな価格帯に突入していないものの、ETFを通じた機関投資家の資金流入が続けば、今後の上昇モメンタムが強まる可能性があるとの見方が広がっている。
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