
パレスチナ自治区ガザで、救援物資を受け取っていた市民に対してイスラエル軍が発砲し、少なくとも22人が死亡、20人以上が負傷する事件が発生した。30日(現地時間)、ガザ保健省や現地の医療関係者、目撃者が相次いで明らかにした。
報道によれば、ガザ南部ハーン・ユーニスのナセル病院には、アメリカとイスラエルが支援する「ガザ人道財団(GHF)」の支援物資配布センターからの帰路で銃撃を受けた11人の遺体が運ばれたという。犠牲者たちは、同市郊外の約3km地点、唯一安全とされる帰路上で襲われた。
さらに、ガザ北部では国連支援倉庫の周辺で10人が命を落とし、ガザ南端のラファ付近でもパレスチナ人1人が死亡したと伝えられている。
現場にいた男性、ユセフ・マフムード・モケイマルさんは「イスラエル軍の車両と戦車が近づき、最初は空に向けて警告射撃をしたが、すぐに群衆に向けて無差別に発砲した」と証言。自らも脚に銃弾を受けたほか、彼を助けようとした別の男性も撃たれたという。また、イスラエル兵が子ども3人を含む6人を連行したが、その安否は分かっていないと話した。
一方で、イスラエル軍はこの一連の発砲について「調査中」としながら、以前から「軍の施設に市民が近づいたり、不審な行動をとった場合には警告射撃の後、実弾による対応もありうる」と説明している。
イスラエルと米国は、武装組織ハマスが国際支援物資を横流ししていると主張し、従来の国連主導の支援体制をGHFに切り替える方針をとっている。これに対して、国連側は「パレスチナ住民が組織的に支援物資を盗んでいるという証拠はない」と反論している。
注目の記事