中国のAI（人工知能）企業の勢いが凄まじい。
Newsisの報道によると、米中のAI覇権競争において、中国企業はアメリカの独占構造を揺るがし、アメリカの覇権を脅かしている。
2日（現地時間）ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、中国企業はアメリカよりも低価格で同等の性能を提供し、急速に市場シェアを拡大している。
ハーバード大学の研究チームが先月初めに発表した核心技術競争力の研究によると、中国はAIの核心要素であるデータや人的資源の分野で強みを活かし、アメリカと競争している。
現在、ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジアなど各地で、多国籍銀行や公立大学などのさまざまな機関が、中国のAIスタートアップ「ディープシーク」や電子商取引大手「アリババ」が開発した大規模言語モデルを、アメリカのChatGPTの代替として採用している。
HSBCやスタンダードチャータード銀行は社内でディープシークモデルを試験中であり、世界最大の石油会社「サウジアラムコ」も最近、主要データセンターにディープシークを導入した。
アマゾンウェブサービス、マイクロソフト、グーグルなどのアメリカの主要クラウドサービスプロバイダーも、アメリカ政府がデータセキュリティの懸念からディープシークアプリの使用を一部制限しているにもかかわらず、顧客にディープシークサービスを引き続き提供している。
OpenAIのChatGPTは、世界で9億1,000万件のダウンロードを記録し、最も普及しているAIチャットボットである。一方、ディープシークは1億2,500万件にとどまっている。アメリカのAIは半導体、先端研究、資本へのアクセスなどの強みを背景に、業界最高水準と評価されている。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、「この競争が世界を米中いずれかのAIシステムを選択せざるを得ない『技術冷戦』時代に導いている」と指摘した。
◆米中AI覇権競争の激化…「技術冷戦の現実化」への懸念
アメリカは、中国の監視や軍事技術の開発を懸念し、中国のAI企業に対するアメリカ製コンピューターチップや技術、資本へのアクセスを制限している。NVIDIAに対するAIチップの中国向け輸出規制も同じ趣旨だ。アメリカ議会は最近、中国製AIの使用を禁止する超党派の法案も提出した。
一方、中国はアメリカ依存を最小限に抑えたAIサプライチェーンの構築に大規模投資を進めている。中国人民解放軍もアメリカ軍同様、AI技術を軍事戦略に活用しようとする研究や試みを行っているが、その進展状況は明らかになっていない。
専門家らは、「アメリカと中国のAIシステムが分断された場合、AIがユーザーを意図的に虚偽情報やプロパガンダコンテンツにさらす可能性が高まり、結果として制御不能なAIからの軍事的脅威や社会的混乱に国際社会が共同で対応しにくくなる」と指摘している。
こうした中、中国のAIシステムは新興市場を中心にシェア拡大を加速させている。
OpenAIによると、中国のAIスタートアップである智譜（ジープ）は、東南アジア、中東、アフリカ諸国が自国のAIインフラを構築する支援を通じて影響力を拡大している。
OpenAIは、この中国スタートアップの目標が「アメリカやヨーロッパの競合企業が進出する前に、中国のシステムと基準を新興市場に根付かせること」だと主張している。
業界専門家らは、「アメリカのAI企業の影響力が弱まるほど、グローバルな技術および規制基準におけるアメリカの主導権が低下する可能性がある」と懸念している。この場合、中国が自国のAIモデルを通じて自国中心の情報を拡散させるリスクが高まるという指摘がある。
ディープシークのオープンソース版には検閲がないが、消費者向けアプリは新疆（しんきょう）ウイグルやチベットなど、中国共産党が敏感に考える問題に対して検閲された回答を提供している。
カリフォルニア大学バークレー校のAI政策研究者リトウィック・グプタ氏は、「グローバルエコシステムに依存する限りアメリカが制御できるが、そうでなければ中国は独自の方針で進むだろう」と述べた。
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