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2025年07月10日木曜日
ホームニュース柔道着姿のベビープーチン×嘲笑されるトランプとマスク…皮肉だらけのロシア洗脳アニメに専門家「国家プロパガンダは極端な段階に」

柔道着姿のベビープーチン×嘲笑されるトランプとマスク…皮肉だらけのロシア洗脳アニメに専門家「国家プロパガンダは極端な段階に」

“かわいい”どころか“ゾッとする”…ロシア、赤ちゃんプーチンで幼児プロパガンダを開始

引用:テレグラム
引用:テレグラム

ロシアが「赤ちゃんプーチン」を主人公にしたAIアニメを制作し、言葉も話せない幼児層への洗脳を始めた。専門家らはこれを「極端な段階に突入した国家プロパガンダ」と断じている。

現地時間7日、英紙『ザ・サン』などによれば、プーチン大統領の主要プロパガンダ担当であるウラジーミル・ソロビヨフが主導したアニメ『サンドピット(Sandpit)』の予告映像がSNS上で公開された。制作陣は「幼児に愛国心を教え、地政学への理解を促す」と説明しているが、その意図は明らかに「親プーチン感情」の植え付けだ。

30秒の予告編では、赤ちゃん姿のプーチンの他、金正恩、エルドアン、トランプ、マクロン、イーロン・マスクといった各国の「ベビー版リーダー」が登場し、ビデオ通話を行う様子が描かれる。金正恩がマクロンに「お前はいつもおばあちゃんと一緒だろ」と冷笑する場面もあり、これはマクロンの24歳年上の妻ブリジット氏への直接的な揶揄とみられている。

また、トランプが「なぜロシアのビデオ通話アプリを使うのか」と尋ねると、プーチンは「お前たちのスカイプは落ちたからな」と返し、西側技術を皮肉るやりとりも描かれている。

引用:テレグラム
引用:テレグラム

モナシュ大学のロシア・プロパガンダ研究者アラスデア・マッカラム博士は、このアニメが「まだ歩くことすらできない子どもを対象に、意図的にロシアの優位性を刷り込もうとしている」と分析。作中では、トランプやマクロン、マスクが滑稽で決断力のないキャラクターとして描かれる一方で、プーチンは落ち着いた表情で白い柔道着を身にまとい、隣にはテディベアと黒海艦隊の象徴である黒いおもちゃの船が置かれている。

金正恩はミサイルが描かれた背景の中でロケット型の玩具を両手に抱え、窓のない部屋はまるで地下シェルターのようだ。対照的に、トランプはゴージャスな部屋でふんぞり返り、マスクはおもちゃの車に夢中になるなど、西側リーダーたちはいずれも「軽い存在」として演出されている。

この映像のタイミングも注目されている。英情報機関の分析では、ロシアは2022年2月以降、ウクライナ戦争で兵士の死傷者が100万人に達したとされる。マッカラム博士は「この戦死者を補うために、国家は幼児期からの洗脳を強化している」と指摘する。

ただし、欧米教育を受けたソロビヨフ自身の8人の子どもたちが前線で戦うことは考えにくいとし、「戦場に駆り出され、命を落とすのは常に社会の底辺層だ」とも語った。

『サンドピット』の登場は、ロシア政府が子どもたちに対する軍事的プロパガンダを急速に強化している文脈の中にある。戦勝記念日には、乳児用のベビーカーがダンボール戦車に装飾され、幼児が軍服を着る姿も報じられている。

「ユナルミヤ」のような青少年団体や退役軍人による学校訪問を通じて、武器や軍文化に幼少期から触れさせる試みが続いており、男児には軍国主義、女児には出産奨励のメッセージが繰り返されるという。

実際にロシア国内の10以上の地域では、10代の少女が出産すると最大で約19万円を支給される制度も存在。かつて未成年妊娠防止を目的として放送されていたTV番組『16歳で妊娠』は、2025年1月に『16歳のママ』へと番組名が変更され、完全に価値観の転換が進められている。

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