
ドナルド・トランプ米大統領の側近とされるビル・ハガティ上院議員(共和・テネシー州)が、日米の関税交渉について「合意に至る可能性が高い」との楽観的な見方を示す一方で、日本に対して防衛支出の大幅な増額を強く求めた。14日付の『時事通信』のインタビューで明らかになった。
ハガティ議員は、20日に予定されている参議院選挙を念頭に置きながらも、「日米は極めて強固な同盟関係にあり、関税交渉においても合意は十分に可能だ」と発言。過去に締結された農産物中心の通商協定や、戦略的価値のあるデジタル貿易協定などを引き合いに出し、今回も政治的な制約を乗り越えた合意は実現可能だと自信を示した。
ただし、経済交渉の裏では日本に対する安全保障負担の拡大を強く要求している。ハガティ議員は「日本にとって米国以上の経済的・軍事的パートナーはいない」と指摘し、「慢性的な対日貿易赤字を踏まえれば、日本は今こそ積極的な対応を示すべきだ」と迫った。
そのうえで、「北朝鮮、ロシア、中国が存在し、台湾海峡の緊張が高まるアジア情勢を踏まえ、日本は防衛支出を拡大する必要がある」と強調。「単なる武器や弾薬の購入ではなく、米国との相互運用性を高める方向で進めるべきだ。共通システムを持つことで、米国からの装備調達が有効となる」と述べた。
特に、日米間の合同訓練や技術連携の重要性にも言及し、「地域全体の防衛体制を強化するには、防衛費の増額は不可欠だ」と主張。「日本のGDP比3%への拡大は歓迎されるだろう」と具体的な数値を挙げて圧力をかけた。『朝日新聞』によると、米政府はすでに関税交渉の過程で非公式に「GDP比3.5%」という水準を日本に打診したという。
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