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2025年07月14日月曜日
ホームニューストランプ関税が中国スマホ生産に「直撃弾」…成長に“終焉の影”が差し、工場はインド・ベトナムへ急速に移転中

トランプ関税が中国スマホ生産に「直撃弾」…成長に“終焉の影”が差し、工場はインド・ベトナムへ急速に移転中

引用:テレグラフ
引用:テレグラフ

米国の関税政策と世界的な産業低迷が重なり、今年の世界のスマートフォン生産量は減少に転じる見通しだ。特に中国は関税の直撃を受け、生産量と内需の両面で落ち込みが予想される。一方で、インドとベトナムは主要メーカーの拠点として急浮上している。

市場調査会社カウンターポイント・リサーチが11日に発表したレポートによれば、今年の世界スマートフォン生産量は前年比1%減となる見込み。昨年は中国、インド、ベトナムの3カ国で世界全体の90%以上を占めたが、今年は国ごとの状況に大きな違いが出ると見られている。

中国は米国の関税措置によって直接的な打撃を受けており、サプライチェーン全体に影響が広がっている。同社のアナリスト、アイバン・ラム氏は「関税の影響は部品サプライヤーからブランド、製造、流通に至るまで全産業に波及しており、企業は中国から他国への生産分散を進めざるを得ない状況」と指摘。そのうえで、地理的な利点と家電分野での産業基盤を備えたベトナム、そして急成長を遂げるインドが最大の受益国になると分析した。

特にインドは、アップルやサムスン電子などの大手ブランドが輸出拠点を強化しており、今年は2桁の成長率が見込まれている。また、グローバル製造拠点として確立されたベトナムも、モトローラとサムスンを中心に堅調な増産が続くと見られている。

同社のもう一人のアナリスト、プラチー・シン氏は「大手EMS(電子機器受託製造)企業がインドへの投資を強化した結果、現地の製造能力は飛躍的に向上した。生産歩留まりや工程の複雑性にも対応できる水準に達している」と述べた。また、インド政府が最近導入した電子部品製造支援政策(ECMS)も、部品エコシステムの強化と外資企業の現地生産を後押ししている。

カウンターポイントは、インドが今後も長期的に最大の受益国になると予測する。一方、その他の地域では国内需要の減少により、生産規模の縮小が避けられないとの見方が強い。

また、米国が本格的に国内生産へとサプライチェーンをシフトした場合、iPhoneの価格は最大200ドル(約2万9,000円)近く上昇する可能性があるとの試算も示された。

アナリストのニール・シャ氏は「アップルが米国内でiPhoneを製造すれば、インフラ整備が不十分な現状では価格が15~20%上昇する可能性がある」と指摘。その要因としては、人件費の高さ、設備投資による減価償却費、物流コストの差などが挙げられると説明している。

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