
米連邦準備制度理事会(FRB)が今月の金利決定で基準金利を据え置く可能性が96%を超えた。市場ではドナルド・トランプ米大統領の高関税政策とそれに伴う物価上昇(インフレ)懸念が金利据え置きを後押ししているとの見方が広がっている。
16日(現地時間)、米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が提供する金利先物市場データの分析ツール「フェドウォッチ(FedWatch)」によると、先物市場が予測する今月の基準金利据え置き確率は96.9%に達したという。0.25%引き下げの可能性は3.1%だった。これはFRBがインフレを懸念していることを示唆している。
実際、米労働省が15日に発表した報告書によると、6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇したという。これは4月(2.3%)と5月(2.4%)に比べ上昇幅が拡大した数値だ。
現地メディアはトランプ大統領の高関税政策が物価上昇の主因だと見ている。前日、米CNBCは「6月中の関税が価格にどの程度影響したかについては意見が分かれているが、関税の影響を示す兆候はある」とし、「関税の影響を受けやすい衣料品の価格は(前月比)0.4%上昇した。同様に関税の影響を受ける家電や家具の価格は1か月で1%上昇した」と報じた。
15日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)も「6月の物価上昇は企業が関税コストを消費者に転嫁し始めた潜在的な兆候だ」とし、「家具や衣料品に加え、映像・音響製品(1.1%)、玩具(1.8%)の価格も上昇した」と指摘した。
トランプ大統領は以前から自身の関税政策が物価を刺激しないと主張してきた。15日には自身のSNSに「物価は依然として低い」と投稿し、FRBに金利を3%引き下げるよう圧力をかけた。先月も関税の物価への影響を懸念し、金利引き下げに慎重な姿勢を維持してきたFRBのジェローム・パウエル議長を「愚か者」と呼び、激しく批判した。
しかし、大多数のエコノミストは高関税政策が最終的にインフレを助長すると懸念を示している。これに関連して16日、AP通信は「インフレはトランプ大統領にとって政治的な課題になるだろう」とし、「昨年の大統領選で物価抑制を約束したが、無制限に関税を引き上げることで企業や消費者の懸念を招いている」と警告した。

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