メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

【パウエル解任で陥る罠】専門家警鐘!ハンガリー・トルコの「中央銀行政治支配」がもたらした信用格下げと通貨暴落の教訓

望月博樹 アクセス  

引用:Newsis

米国のドナルド・トランプ大統領が利下げを迫る中、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の解任を積極的に検討している様子だ。これに関連し、FRBの独立性が損なわれれば、米国の家計と企業の長期借入金が上昇し、通貨が下落、インフレを助長することになるとの警告が出された。

世界最大手銀行JPモルガン・チェースと世界最大級のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの元幹部で、現在は米外交問題評議会(CFR)で上級研究員を務める経済学者レベッカ・パターソン氏が16日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズに寄稿した。以下は寄稿文の要旨である。

中央銀行(FRB)を政治の道具にした場合の結果は、海外の事例を見れば明らかだ。ハンガリーでは、共産主義体制崩壊後の1991年に中央銀行が独立した。しかし、過去15年間、政府が継続的に金融政策決定に介入してきた。金融政策委員会の委員数を増やして政府に有利な構図を作り、2011年には憲法改正で中央銀行の独立性を弱めた。その結果、国際的な格付け機関3社がすべてハンガリーの信用格付けを投機的水準に引き下げ、政府の借入コストが増加し、通貨フォリントの価値が下落した。

それにもかかわらず、政府の中央銀行支配の試みは続き、最近では金融政策委員会の定員を9人から11人に増やし、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相の側近を副総裁に任命しようとしている。ハンガリー通貨のフォリントは2011年以降、対ユーロで弱含みが続いている。ポーランドやチェコなど近隣国の通貨よりも弱い傾向にあり、その結果、物価が大幅に上昇した。

ロシアのウクライナ侵攻でハンガリーの物価がさらに急騰し、中央銀行は急激な金融引き締めを余儀なくされた。2023年には景気後退に陥り、昨年の国内総生産(GDP)成長率は0.6%にまで落ち込んだ。

トルコの場合はハンガリー以上に極端だ。2018年にインフレ率が15%を超える状況下で、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が中央銀行総裁、副総裁、金融政策委員会委員の任命権を主張し、通貨委員の資格要件を撤廃した。これを受け、S&Pとムーディーズはトルコの国家信用格付けを引き下げた。1年も経たないうちに、エルドアン大統領は物価抑制のために高金利政策を維持していた中央銀行総裁と副総裁を更迭した。

結局、中央銀行は利下げに転じたが、トルコ通貨のリラは2018年以降、対ドルで88%も下落した。利下げと通貨安により消費者物価が急騰した。2022年の年間インフレ率が85%を超えたため、中央銀行は急激な利上げを迫られた。現在、トルコのインフレ率は年率35%程度、政策金利は46%程度である。トルコの10年物国債利回りは2018年初めの11%から現在はほぼ30%にまで上昇している。

こうした失敗例があるにもかかわらず、なぜ米トランプ政権は同じ道を歩もうとしているのか。トランプ大統領が9日にソーシャルメディアに投稿した内容によると、財政赤字を埋めるための借入コストを抑えるためとみられる。最近成立したトランプ大統領の国内政策法案により、財政赤字がさらに拡大する見通しだ。

また、輸出増加を狙う目的もあるようだ。ドル安により輸出競争力が高まる可能性があるためだ。そのほか、住宅市場や株式市場を刺激する効果も期待しているようだ。しかし、これは最良のシナリオに過ぎない。トランプ大統領が新たなFRB議長を指名しても、金利が下がる保証はない。

トランプ大統領が指名したFRB議長は上院の承認を得る必要があるが、パウエル議長の解任が適法かどうかを巡って激しい論争が起きるだろう。承認を得たとしても、利下げには12人のFRB理事の過半数の同意が必要だ。現在のFRB理事のうち、利下げに賛成しているのはトランプ大統領が指名した2人だけだ。

理論的には金利を下げれば国債利回りも低下するはずだが、ハンガリーとトルコでは短期金利を引き下げた後も長期国債利回りが上昇した。投資家にインフレと政治リスクを相殺する高い利回りを保証する必要があったためだ。米国でもすでに、FRBが利下げを行うと10年物国債利回りがかえって上昇する現象が見られている。その結果、住宅ローンや自動車ローンの金利が上昇している。

ここ数十年、共和・民主両党の大統領が中央銀行の独立性を公然と支持してきた理由がある。彼らは政府の財政健全性の重要性と法の支配に同意していた。また、FRBが過ちを犯しても政治から独立して行動することで信頼性が高まり、それが米国をより信頼できる魅力的な投資先にすることを理解していた。こうした安定性と予測可能性がなければ、米経済と金融市場を特別なものにしている重要な要素を失いかねない。

望月博樹
CP-2023-0364@fastviewkorea.com

コメント0

300

コメント0

[ニュース] ランキング

  • 「中国、2年後には米国と科学研究の主導権で並ぶ…」驚きの研究結果が発表
  • 「中国から大豆のオーダー入りました」...米中首脳会談を前に、米中“融和サイン”か?
  • 「ハマスを壊滅させることも可能だ!」停戦の裏で再び爆撃も...トランプ氏「停戦は危うくない」と火消し発言
  • 「降伏以外に道はない」プーチン、ウクライナ東部の“要衝2都市包囲”を宣言
  • 「王を讃える時代錯誤の贈り物」李在明氏、トランプ氏に“黄金の王冠”…米国で非難の嵐
  • 「冬を呑み込む炎」ロシア・ウクライナ、“エネルギー全面戦”のドローン攻防が過熱

こんな記事も読まれています

  • 【JMS2025】日産「サクラ」が太陽光で一年間最大3,000km!“自ら充電する”軽EVへ進化
  • 「BMW iX3旋風?」…6週間で3,000台突破!ノイエクラッセ時代の幕開け
  • 【衝撃】日産「フェアレディZ NISMO」中国投入へ…“日本の魂”が海を渡る
  • 「ATの寿命を縮める!?」…専門家が警告する“やってはいけない5つの習慣”
  • 「中国から大豆のオーダー入りました」…米中首脳会談を前に、米中“融和サイン”か?
  • 「ハマスを壊滅させることも可能だ!」停戦の裏で再び爆撃も…トランプ氏「停戦は危うくない」と火消し発言
  • 「下品だ」と責められた花嫁…ウェディングドレス巡る非難の末に悲劇
  • 「なぜ人はあくびをするのか?」眠いからじゃない!最新研究が暴いた“あくび”の意外な正体

こんな記事も読まれています

  • 【JMS2025】日産「サクラ」が太陽光で一年間最大3,000km!“自ら充電する”軽EVへ進化
  • 「BMW iX3旋風?」…6週間で3,000台突破!ノイエクラッセ時代の幕開け
  • 【衝撃】日産「フェアレディZ NISMO」中国投入へ…“日本の魂”が海を渡る
  • 「ATの寿命を縮める!?」…専門家が警告する“やってはいけない5つの習慣”
  • 「中国から大豆のオーダー入りました」…米中首脳会談を前に、米中“融和サイン”か?
  • 「ハマスを壊滅させることも可能だ!」停戦の裏で再び爆撃も…トランプ氏「停戦は危うくない」と火消し発言
  • 「下品だ」と責められた花嫁…ウェディングドレス巡る非難の末に悲劇
  • 「なぜ人はあくびをするのか?」眠いからじゃない!最新研究が暴いた“あくび”の意外な正体

おすすめニュース

  • 1
    「妻なしでは生きられない...」90代夫婦、手を取り合い“尊厳死”で最期を迎える

    トレンド 

  • 2
    「パンに生ゴキブリ混入!」中国人気パンに衝撃事件、消費者激怒もメーカーは“補償拒否”

    トレンド 

  • 3
    「機内で寝ている乗客をフォークで刺傷」...元神学生のインド人、機内凶行でフライト中断!

    トレンド 

  • 4
    「時速160キロで高齢者施設に激突!」試乗を口実に車を盗んだ20代、暴走の末の大惨事

    トレンド 

  • 5
    「これで156人目の犠牲...」麻薬犯罪を追った記者、無残な遺体で発見!麻薬カルテルの“報復”か

    トレンド 

話題

  • 1
    「ヘリコプターからキリンに銃乱射...」世界1位ユーチューバーの過激動画が「よくやった」と称賛されるワケ

    トレンド 

  • 2
    「会社の金を盗む気満々」AIが作った“偽領収書”に企業が次々と騙される衝撃の実態

    トレンド 

  • 3
    「コンコルド超えの静音技術」!NASA開発、静かな超音速旅客機“X-59”初飛行成功

    フォトニュース 

  • 4
    同居女性を殺害し自宅に“セメント埋葬”…16年間隠していた男を逮捕

    トレンド 

  • 5
    TXT、13作連続オリコン1位!『Starkissed』でキャリアハイ&日本5大ドーム制覇へ!

    K-POP