
米国のマイク・ジョンソン下院議長は、ドナルド・トランプ大統領に圧力をかけるとされる「エプスタイン・ファイル」の公開に関して、当面は採決を行わない方針を示した。
米議会専門メディア『ザ・ヒル』によると、ジョンソン議長は21日(現地時間)、エプスタイン関連文書の公開決議案を夏季休会前に採決するかとの質問に、「いいえ」と答えたという。
ジョンソン氏は「エプスタイン・ファイルの透明性確保に関しては、下院や共和党、そして大統領の間に見解の相違はない」と強調した。
また、「トランプ大統領も、エプスタイン関連の信頼できる文書すべての公開を望んでおり、すでに司法長官らに指示を出している」と語った。
さらに、「この件は現在進行中であり、行政府がその任務を遂行するための時間を与えるべきだと考えている」と述べた上で、「対応が必要、あるいは適切と判断される段階に至った場合には検討するが、現時点ではそうした段階には至っていない」との認識を示した。
米国の富豪ジェフリー・エプスタインは2019年、未成年者への性的人身売買などの罪で勾留中に自殺したとされているが、その犯罪の全容や死の経緯をめぐっては、今なお数々の陰謀論が取り沙汰されている。
エプスタインの死をめぐる陰謀論は、トランプ大統領の支持基盤である「MAGA(米国を再び偉大に)」勢力の間でも広く支持を集めてきた。
このため、トランプ大統領が再び政権を握れば、著名人リストを含む司法省のエプスタイン事件に関する記録が公開されるとの期待が、支持層の間で広がっていた。
MAGA支持者らの圧力が強まる中、トランプ大統領は今月17日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」を通じて、パム・ボンディ司法長官に対し、大陪審証言資料の公開を指示したと明かした。
一方、米民主党は議会で関連文書の公開を求める法案を推進するなど、エプスタイン事件を政治的攻撃の材料として利用している。
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