
欧州連合(EU)が最大1,500億ユーロ(約25兆8,891億円)を動員する「欧州安全保障行動(SAFE)」事業に参加する英国から「参加費」を徴収する見通しだ。英国はEU加盟国ではないが、EUが欧州の再軍備のために策定した武器の共同調達計画に参加する機会を得ることで防衛産業の成長が期待できるため、EUは英国政府から対価を得る意向である。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は21日(現地時間)、2人のEU外交官の話によると、EUの軍事装備品の共同調達に向け、防衛産業に最大1,500億ユーロを融資する枠組み「欧州安全保障行動(SAFE)」の実施にあたり、英国がEUに「補償すべきだ」と述べたと報じた。
これらの外交官によれば、英国の防衛産業企業がSAFEを活用して武器供給契約を獲得した場合、EUに一定割合の金額を納付する必要があるとのことである。英企業はEUの資金により雇用を増やし生産能力を拡大できるため、その見返りとしてEUに財政的貢献を行うべきだという見解である。FTは、英国がEUに支払うべき正確な金額は現在協議中で、今週中に公表される見込みだと伝えた。
SAFEは2030年の「再軍備」を目指してEUが打ち出した総額8,000億ユーロ(約138兆974億円)規模の資金調達計画の一環である。EUは5月から1,500億ユーロ規模の武器共同調達のための融資手続きを開始した。EU加盟国はこの融資を利用し、ロシアの脅威に対応して自国の武器在庫を増加させるか、ウクライナへ武器支援を行うことができる。
また、EUと安全保障・防衛パートナーシップを締結した英国、韓国、日本などの「第三国」も、SAFE協定の締結など一定の条件を満たせば武器共同調達に参加可能である。なお、SAFEを用いて共同調達する武器の部品の65%以上は、EUおよび欧州自由貿易連合(EFTA)圏内、またはウクライナから調達しなければならない。
英国は5月、自国の防衛産業にとって「新たな機会」になる可能性があるとし、SAFEへの参加を表明、EUとの協定締結を控えている。英国はEUとの協議において、部品の最大35%を供給する権利を暫定的に認められたが、部品の占有率をさらに高めるにはEUとの追加合意が必要となる。
一方で、EU外交官らは、自国の防衛産業企業がSAFEを通じた共同購入契約を獲得しようとする各国は、英国と同様にEUとの財政的貢献に関する協議が求められると述べた。
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