EU、中国にウクライナ戦争の停戦仲介を要請
欧州連合(EU)は、中国がロシアの最大の同盟国であることから、ウクライナ戦争の終結に向けた役割を果たすよう促したという。
24日のロイター通信などの報道によると、EU欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、同日に北京で習近平中国国家主席およびリー・チャン首相とそれぞれ会談後に記者会見を開き、「中国がウラジーミル・プーチン露大統領の戦争にどう関与し続けるかが、今後のEUと中国関係を左右する」との見解を示した。そして、中国がEU側の懸念に応え、ロシアに対してウクライナ戦争の停戦を受け入れるよう影響力を行使することを期待していると説明したとのこと。

EUは同日、報道資料を通じて、ロシアの侵略戦争がウクライナのみならず国際的な安全保障にとっても深刻な脅威になっていると強調した。
そのうえで、国連安全保障理事会の常任理事国でもある中国には特別な責任があるとの認識を示した。さらに、中国に対してロシアの軍需産業を支える物質支援も一切行わないよう、改めて要請している。
EU側は、今回の首脳会談において「北朝鮮がロシアへの兵力や武器の供給は、欧州のみならず東アジアの安全保障にも重大な脅威となり得る」とし、中国が北朝鮮の対ロシア軍事支援を阻止する役割を果たすべきだと要求した。
EUの首脳陣が今回、習主席やリー首相との連続会談の中で北朝鮮によるロシア支援問題を直接取り上げた背景には、ウクライナ戦争の勃発以降、中国が一貫して中立を装いながらも実際にはロシア寄りの姿勢を続けていると判断したためだという。
実際、今月初めには、中国共産党中央対外連絡部主任であり外相も兼ねるオウ・キ氏が、EU外交・安全保障政策上級代表であるカヤ・カラス氏との会談の場で「ロシアが戦争に敗北すれば、米国の関心が中国に向かう可能性があるため、ロシアの敗北は容認しがたい」といった趣旨の発言を行ったとされる。
これに対し、カラス上級代表は後日の報道インタビューで「オウ・キ氏の発言には驚いた」と語っていた。

24日(現地時間)、中国・北京の人民大会堂で開かれた第25回中国・EU首脳会議には、習主席のほか、アントニオ・コスタEU理事会常任議長、フォン・デア・ライエンEU委員長、カヤ・カラスEU外交安全保障上級代表らが出席した。
EU首脳陣はまた、中国が対米関税への報復として導入したレアアース(希土類)の輸出規制措置についても撤回を求め、EU産のブランデーや豚肉、乳製品に対する報復的な貿易制限措置の停止も訴えた。
EU側は中国に対し、「解決に向けた建設的な対話を続ける用意がある」としながらも、「解決策が見つからない場合には、正当な利益を守るために比例的かつ法的な措置を講じる」との立場も明らかにした。
ライエン委員長は会見の中で「他の主要市場とは異なり、欧州は中国に市場を開放してきた。これは私たちの長期的なルールに基づく貿易に対するコミットメントを示すものだ」と強調した。その一方で、「中国側はこの開放性に対し、応える姿勢を示していない」とも指摘した。
さらにライエン委員長は、中国の過剰生産、政府補助金による供給過多、輸入制限などの課題にも言及し、「これらの問題で進展が見られなければ、EUが現在の市場開放を維持することは極めて難しくなる」と警告している。
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