
中国の国有鉱山施設を見学中だった大学生6人が、工場内のタンクに転落して死亡するという痛ましい事故が発生した。安全対策の不備が重なった中で起きたこの惨事に対し、当局は責任者を拘束し、本格的な調査に着手している。
事故が起きたのは7月23日午前、中国内モンゴル自治区のウヌゲトゥ山に位置する中国黄金集団傘下の銅・モリブデン鉱山内の選鉱施設。報道によれば、遼寧省・東北大学から現地を訪れていた学生51人のうち6人が、液体と鉱物が混ざった「浮遊選鉱用タンク」に転落し、そのまま命を落とした。
原因は、学生たちが立っていた鉄製のグレーチング足場が突然崩壊したためとされている。現場には重量制限を警告する表示はなかったという。タンク内部は粘性の高い混合物で満たされており、迅速な救出は極めて困難だった。同行していた教員1名も負傷した。
犠牲となった学生たちは、卒業に必要な単位取得の一環として実施された2週間の実習プログラムに参加していた。中国黄金集団と東北大学は長年の連携関係にあり、今回の見学も大学主導で手配されたものであった。
事故を受け、中国当局は安全責任を問う形で企業側の副社長や工事責任者、当日の現場監督官など3人を拘束。事故原因を調査する専従チームが立ち上げられた。
中国黄金集団は国内最大規模の金生産企業でありながら、安全基準の甘さがあらわになった格好だ。
事故後、東北大学は追悼の意を込めて公式ホームページの配色を白黒に変更した。
注目の記事