
ドナルド・トランプ米大統領は、パレスチナ自治区ガザへの人道支援を拡大する意向を示す一方、イスラム組織ハマスが支援物資を横領していると非難した。
27日(現地時間)、CNNおよびニューヨーク・タイムズによれば、トランプ大統領はEUとの貿易協議のため訪れたスコットランドで記者団に対し、「米国はガザ地区への支援を拡充するが、他国にも協力を求める。これは国際社会全体の課題であり、米国単独の問題ではない」と強調した。同日の会談ではガザ支援も議題に含める意向を示した。
トランプ大統領は「2週間前に6,000万ドル分の食糧を支援したのに、誰からも感謝の言葉はなかった」と述べ、「少なくとも感謝の意は示されるべきだ」と不満を示した。さらに「その大量の食糧はハマスに奪われ、食糧だけでなく武器や資金まで持っていかれている。事態は完全に統制不能だ」と主張した。
一方、トランプ大統領の主張は事実と異なる。米政府の調査では、米国の資金で提供された人道支援物資が横領された証拠は確認されていない。イスラエルもこれまで、ハマスが支援物資を横領し統制手段として利用しているとして人道支援を制限してきたが、イスラエル高官によれば、国連などの国際機関が提供する支援物資が組織的に盗まれた証拠は見つかっていない。
イスラエル軍は同日、ガザ地区のムワシ、デイル・アルバラ、ガザ市の3地域で、毎日一定時間戦闘を中断する「戦術的休戦」を実施すると発表した。国連などの援助団体がガザ全域に食糧や生活必需品を届けられるよう、安全回廊も設ける方針だと説明した。
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