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2025年07月29日火曜日
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【メルツ悲鳴】米・EU貿易合意で「ドイツは大打撃」…産業界に広がる交渉力不足批判の声

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は28日(現地時間)、米国と欧州連合(EU)が前日に合意した貿易和解に対し、深刻な懸念を表明した。

メルツ首相は、この貿易和解がユーロ圏最大の経済大国であるドイツ経済に「甚大な損害」をもたらすことを懸念している。

フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、メルツ首相は「ドイツ経済はこれらの関税により大きな打撃を受け、苦境に立たされるだろう」と述べた。

メルツ首相は、「その影響はドイツやヨーロッパだけにとどまらないと確信している」とし、米国自身にも深刻な影響を及ぼすだろうと警告した。また、「米国のこの貿易政策の結果が明らかになるだろう。これは単に(米国の)インフレを加速させるだけでなく、大西洋を挟んだ貿易全体に悪影響を及ぼすことになる」と懸念をあらわにした。

続けて、「これ以上良い貿易和解は望めなかった」とし、「与えられた条件下で達成可能な最良の結果だった」と評価した。

ドイツ産業界では、EUの交渉力不足を批判する声とともに、これを奮起の機会とすべきだという意見が出ている。

ドイツ最大の産業団体であるドイツ産業連盟(BDI)の理事、ヴォルフガング・ニーダーマーク氏は、EUが米国との貿易交渉で劣勢に立たされた根本的な原因はEUの競争力不足にあるとして、競争力向上の必要性を訴えている。

ニーダーマーク氏は、米国との貿易和解で一時的に時間を稼いだとし、EUはこの時間を交渉力の改善に充てるべきだと述べた。彼は、EUが競争力を高め、ドナルド・トランプ米大統領とEUの間で再び対立が生じた際に、自らの主張を明確に示せるようにすべきだと強調している。

また、EUに不利な今回の貿易和解について「単にEU執行委員会が有利な交渉ポジションにいなかったためだ」と説明した。

さらに「次の貿易交渉や貿易紛争では、EUがより強い立場に立ち、自らの強みを発揮できることを願っている」と付け加えた。

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