
米ニューヨーク・マンハッタンの中心部に、マンホールから這い出るようなドナルド・トランプ米大統領の赤い彫刻が設置され、街に衝撃が走った。
作者はフランスの現代アーティスト、ジェームス・コロミナ氏で、この作品は設置から1日も経たずに撤去されたが、そのインパクトはオンライン上でも話題となり、世界中のネットユーザーの注目を集めたという。
27日(現地時間)、米紙USAトゥデイなどの報道によると、彫刻はマンハッタンのイースト42丁目と2番街の交差点に設置されたという。作品には、上半身だけをマンホールから突き出し、真っ赤なスーツ姿で高層ビルを見上げるトランプ大統領の姿が描かれていた。足元のマンホールの縁には、同じく赤い小さなネズミのフィギュアも添えられ、通行人の目を引いていたとのこと。
彫刻が設置された場所は、マンハッタンの象徴である超高層ビル、クライスラービルの真正面に位置し、トランプ・タワーからは約1.6キロ離れている。
作者のコロミナ氏は「クライスラービルは権力、上昇、建築的誇りの象徴」とした上で、「空に向かってそびえる記念碑と、下水道から現れる奇妙な人物の強烈な対比を表現したかった」と説明している。
さらに「ニューヨークはトランプ大統領が自身のイメージと帝国を築き上げた場所だからこそ、ここに設置した」とも語った。

コロミナ氏は、東京、バルセロナ、パリなど世界各地で、真っ赤な等身大の彫刻作品を突如登場させるストリートアーティストで知られている。
今回のトランプ像は、フランスのアトリエで約3週間かけて制作された後、分解された状態でニューヨークに運ばれ、現地で再び組み立てられたという。
コロミナ氏は自身のInstagramにも作品写真を投稿し、「Make America Grime Again(アメリカを再び汚く)」という文言を添えていた。これは、トランプ大統領のスローガン「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」をもじった風刺表現とみられる。
これに対し、ホワイトハウスのアビゲイル・ジャクソン報道官は、「トランプ大統領の圧倒的存在感を表現しようとする試みは後を絶たないが、成功例はあまり見られない」と指摘した。その上で「模倣は最大の賛辞とも言うが、このレベルであれば、芸術家としてもう一度基礎からやり直す必要があるだろう」と厳しい評価を下したという。
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