金浦空港で過去最大規模となる麻薬密輸の試みが摘発された。24キロにも及ぶ大量のケタミンがスーツケースに隠され、韓国国内に持ち込まれようとしていた。

韓国関税庁・金浦空港税関によると、中国国籍のA容疑者(47)はオランダ・アムステルダムを出発し、フランスと日本を経由する複雑なルートで入国を試みた。入国直後には、電子タグ付きのスーツケースを遠くから確認し、空港内のトイレで着替えるなど、逃走を図る行動も見せた。
しかし、不審な動きを注視していた税関職員によってその場で検査台へと連行され、開封検査が実施された。中からは食品用ラップとアルミホイルで二重に包まれた大量の結晶が発見され、イオンスキャナーなどの科学機器によってケタミン成分が確認されたという。
押収されたケタミンは、いわゆる「クラブドラッグ」として知られる麻酔薬で、性的な犯罪にも悪用される危険性が指摘されている。総量は約80万人分の投与に相当し、金浦空港の歴史上、最大規模の麻薬押収事例となった。
A容疑者は「荷物は自分のものではない」と容疑を否認したが、携帯電話のデジタルフォレンジック解析により、オランダの供給者とテレグラムを通じて密輸を共謀した痕跡が確認された。
税関関係者は「仁川空港での取締り強化により、金浦を含む他の空港を経由するルートが増えている」と指摘し、「どの空港を利用しても摘発できるよう、税関間で事例を素早く共有していく」と述べた。
一方、2023年には中国・広州で2014年に覚醒剤5キロを所持して摘発された韓国人に対し、死刑が執行された事例もある。
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