
トランプ米大統領がロシアへの関税猶予期間を「50日」から「10〜12日」へと大幅に短縮すると宣言し、ロシア側が強く反発した。プーチン大統領の側近であるドミトリー・メドベージェフ国家安全保障会議副議長は「これは戦争の導火線だ」と警告し、米露関係が再び緊張局面に入った。
メドベージェフ副議長は28日、自身のSNSで「トランプはロシアに対して最後通牒を突きつけている。これはウクライナとの戦争ではなく、アメリカとの戦争につながる一歩だ」と投稿。「スリーピー・ジョーの道を歩むな」とバイデン前大統領を揶揄する表現まで持ち出し、対米強硬姿勢を鮮明にした。
また、「ロシアはイスラエルでもイランでもない。もしアメリカが脅すなら、ロシアは思い通りには動かない」と警告。過度な圧力がロシアを米国そのものと敵対関係に追い込む可能性を示唆した。
一方、トランプ大統領は同日スコットランドのゴルフ場での会見中に「プーチンに非常に失望した」と語り、ロシアへの新たな制裁猶予期間を「きょうから10日か12日」に短縮すると明言。これにより14日基準の50日猶予は、実質的に24〜26日にまで縮まったことになる。
ウクライナのゼレンスキー大統領はこの動きを歓迎。「明確な姿勢と決断を示した」と評価し、「真の平和のために、いま力が必要だ。命を救い、戦争を防ぐトランプ大統領に感謝する」とSNSで述べた。
ロシアとウクライナはすでに23日にトルコ・イスタンブールで第3回の高官級和平交渉を行っていたが、捕虜交換以外では大きな進展はなかった。戦場では依然としてロシア軍の空爆が続いており、とくにウクライナの都市部への夜間攻撃で死傷者が増加している。
なお、ロシア政府(クレムリン)および外務省からのトランプ大統領の発言に対する公式コメントは、現時点では発表されていない。
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