
香港金融管理局(HKMA)が、2025年初頭にもステーブルコインの初ライセンスを発行する見通しだと明らかにした。暗号資産分野での規制強化と金融インフラの近代化を狙う新制度がいよいよ本格化する。
HKMAは8月1日に発効されるステーブルコイン条例に先立ち、ライセンス申請に関する詳細な手続きとガイドラインを29日に公表。申請者には9月末までに必要書類の提出を求めた。
今回の新制度では、発行者が満たすべき条件として「規制順守」「具体的なユースケースと事業計画」「技術・財務面での持続可能性」などが挙げられている。ダリル・チャン副局長は「資産管理やITインフラも含めたリスク対策能力が審査の鍵を握る」と強調した。
ステーブルコイン発行者は、準備資産の保全・償還・流通、内部統制やコーポレートガバナンスといった厳格な規則にも従う必要がある。また、マネーロンダリングやテロ資金供与を防止するため、顧客ウォレットや送金の監視体制も求められる。
香港財務事務局(FSTB)のクリス・フイ長官は「急速な導入より段階的な展開を通じて、香港のデジタル金融改革を着実に推進する」と述べた。
HKMAは、初期のライセンスはごく少数にとどまる見通しとし、市民に対して「無認可ステーブルコインの保有は自己責任」と警告している。
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