
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の非嫡出子と推定される女性が、SNSでプーチン大統領を暗に批判する投稿を行った。
4日(現地時間)、英紙「ザ・タイムズ」によれば、エリザヴェータ・クリヴォノギフ氏(22)はテレグラム・チャンネルに、自撮り写真とともに「再び私の顔を世に晒せるようになり、解放感を覚える」と投稿した。さらに「自分が誰の子として生まれ、誰が私の人生を台無しにしたのかを思い出させる」と述べ、「その人物は何百万もの命を奪い、私の生活さえも破壊した」と付け加えた。
この内容は「アート・オブ・ルイザ」(Art of Luiza)というテレグラム・チャンネルに投稿されたもので、ドイツ紙「ビルト」が最初に報じた。「ビルト」は、クリヴォノギフ氏が特定の個人を名指ししてはいないものの、文脈からプーチン大統領への批判と解釈している。
クリヴォノギフ氏は、プーチン大統領とスヴェトラーナ・クリヴォノギフ氏との間に、2003年に生まれたとされる人物である。元清掃員であったスヴェトラーナ氏はその後、ロシア銀行(Bank Rossiya)の株主となり、2020年時点で推定資産1億ドル(約147億1,846万円)を有するに至った。
スヴェトラーナ氏はまた、モナコ公国モンテカルロに約200㎡の高級アパートを所有し、そこからは港と巨大なヨットが望める。さらに、サンクトペテルブルク北部のスキーリゾート、サンクトペテルブルクの文化センター、39メートル級の超大型ヨットなども所有している。
「ルドノバ」という偽名で活動していたクリヴォノギフ氏は、今年6月、反戦アート展で知られるフランス・パリの「スタジオ・アルバトロス」と「Lギャラリー」で学生インターンとして勤務していることが明らかになり、注目を集めた。当時、彼女が勤務していた二つの美術館を運営する「L協会」は雇用の事実を認めつつも、「彼女がプーチン大統領の娘であるかどうかは確認できない。プーチン大統領に似ているのは事実だが、そういう人は珍しくない」と述べた。

この事実が公になると、ウクライナのアーティストやロシアの亡命者たちの間で怒りが噴出した。ロシア反政府芸術家のナスティア・ロディオノワ氏はフェイスブック(Facebook)に「(プーチン)政権の恩恵を受けた家系出身者が、その政権の被害者と顔を合わせるのは容認できない」と投稿し、その後、当該美術館との関係を断った。
これに対しクリヴォノギフ氏は、「私の意見を聞かない家族の行動に対して、私が本当に責任を負うべきなのか」と自身の立場を弁明した。その後、彼女が運営していたとされるすべてのSNSアカウントは閉鎖された。
「ザ・タイムズ」は、クリヴォノギフ氏が過去にSNSでプライベートジェットで世界を旅する贅沢な生活を頻繁に投稿していたことや、2021年にモスクワのバーでDJを務めたことなども伝えている。
プーチン大統領は1983年に結婚し、2014年に離婚したロシアの言語学者リュドミラ・アレクサンドロヴナ・プーチナ氏との間に二人の娘をもうけた。その後、スヴェトラーナ氏との間に非嫡出の娘を、元リズム体操選手のアリーナ・カバエワ氏との間に二人の非嫡出の息子をもうけたと言われているが、公式には認めていない。
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