
政府は、米価格維持のため長期間続けてきた減反政策を撤回し、増産中心の政策へと転換する。これは、米の需給不安を経験した「令和の米騒動」後、政府が打ち出した抜本的対策である。
政府は5日、首相官邸で米政策に関する関係閣僚会議を開催し、石破茂首相が増産への方針転換を正式に発表する予定だ。先月の会議で石破首相は「意欲的な生産者が安心して増産に取り組めるよう、新たな米政策を推進する」と表明しており、今回がその具体化となる。
石破首相は今回の会議で、2027年度に予定される水田政策の見直しに先立ち、従来の減反政策が米の生産抑制を強く意図していたと評価した。高齢化と人口減少の中で耕作放棄地を減らし、次世代への農地継承を支援する政策へ転換すると述べた。
農林水産省は来年夏まで新たな水田政策の骨子を固める計画だ。現在も、主食用米から飼料用米、小麦、大豆などに転作する農家への補助金制度が残っており、需要予測に応じた主食用米の生産調整が続いている。このため「事実上の減反政策」との批判が出ていた。
今年産の主食用米需要量は711万トンで、生産量(679万トン)を32万トン上回った。2021~2024年の生産を合わせると、計98万トンの供給不足が生じたことが判明した。需給不均衡が価格高騰の主因だったと政府は正式に認めた。小泉進次郎農林水産相は、与党内の少数意見を踏まえ、共通点を見出し政策を前進させると述べた。
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