
米国のドナルド・トランプ大統領は5日(現地時間)、医薬品関税に関する新たな計画を発表した。彼は米国内での医薬品生産を促進するため、関税率を250%まで段階的に引き上げると述べた。これはトランプ大統領がこれまで示唆していた中で最も高い税率だ。
CNBCのインタビューで、トランプ大統領は当初は「小規模な関税」を課すが、1年から1年半後には「最大」の税率を適用すると説明した。具体的には、まず150%に引き上げ、その後250%まで段階的に増加させる方針を示した。
トランプ大統領は政権1期目の時と同様、今回も関税政策について発言を二転三転させている。先月初めには200%の関税を課すと述べていたが、今回は最終的に250%まで引き上げると発言を変更した。頻繁な方針変更により、今回の脅威がそのまま実行されるかは不透明だ。ただし、医薬品の国内生産を奨励するための保護主義的な関税政策を推進する意志は明確だ。
トランプ政権は既に4月、医薬品輸入が米国の安全保障を脅かすかどうかの調査に着手している。これは、関税導入に向けた行政手続きを着実に進めていることを示唆している。トランプ大統領は関税を梃子に、医薬品の米国内生産を促進する狙いだ。
過去数十年間、高コストに耐えかねて海外移転した米多国籍製薬企業の生産ラインを米国に呼び戻すため、海外生産よりも米国内生産の方がコスト面で有利になるよう仕向けている。
この戦略には一定の効果が出ている。時価総額で世界最大の製薬会社で、ダイエット薬のゼンバウンドで知られる「イーライリリー・アンド・カンパニー」や、ベビーパウダーとオイルで有名な「ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)」など大手製薬会社が、ここ半年でトランプ政権に配慮し、米国内での新規投資計画を相次いで発表している。
しかし、トランプ大統領はこれで満足していないことを明確にした。彼は今回のインタビューで「我々は医薬品が米国内で製造されることを望んでいる」と強調した。
大規模な医薬品関税の導入は、米製薬産業の業績に大きな打撃を与える可能性がある。業界は、関税によるコスト増が製薬会社の米国内投資を縮小させ、医薬品のサプライチェーンを混乱させ、最終的には患者の健康を脅かすリスクがあると警告している。また、製薬会社は業績悪化により新薬の研究開発(R&D)投資能力が低下することも懸念している。
これに先立ち、トランプ大統領は5月、いわゆる「最恵国待遇」政策で製薬業界に衝撃を与えた。これは海外で最も安い薬価に米国の薬価を合わせる政策だ。先週には、17の製薬会社に対し、9月29日までに米国内の薬価引き下げ手続きを進めるよう要求した。














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