
米国のJDバンス副大統領は10日(現地時間)、中国がロシア産原油を購入していることを理由に、インドに適用した25%の追加関税と同様の「懲罰関税」を中国に課すことをドナルド・トランプ米大統領が検討していると明らかにした。
バンス副大統領はフォックス・ニュースのインタビューで、「トランプ大統領はこの問題について慎重に検討しているが、まだ最終決定はしていない」と述べた。さらに「中国問題はインドよりも複雑だ。米中関係はロシア情勢にとどまらず、様々な問題に影響を及ぼしている」と説明した。
トランプ大統領は大統領選挙の公約で、就任初日からロシアによるウクライナ侵攻を終結させると約束していたが、半年以上が経過しても成果は出ていない。このため、最近はウラジーミル・プーチン露大統領へ戦争終結の圧力を強めている。
先週、トランプ大統領はインドによるロシア産原油輸入を理由に25%の追加関税を課す大統領令に署名したが、ロシア産原油の最大輸入国である中国への措置はまだ実施されていない。中国の税関統計によると、中国は昨年、ロシア産原油1億850万トンを輸入し、全原油輸入量の約2割を占めていたという。
米中両国は先月末、スウェーデン・ストックホルムで3回目となる高官級貿易協議を行い、中国側は関税引き上げの猶予措置延長で合意したと発表したが、トランプ政府はこれを公式に確認していない。
中国のリュウ・ホウウ(劉鵬宇)駐米中国大使館報道官は、バンス副大統領の発言に即座に反発した。「中露間の貿易は国際法の範囲内で正常に行われている。中国は違法かつ不当な一方的制裁や米国の域外適用に断固反対する」と述べた。また、「関税戦争に勝者はなく、圧力や威嚇は何の成果ももたらさない」と強調した。
トランプ大統領は15日、アラスカでプーチン大統領と会談し、ウクライナ戦争終結に向けた協議を行う予定で、この追加関税が交渉力としてどの程度機能するかが注目されている。
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