
ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領とカナダのマーク・カーニー首相は11日(現地時間)、電話会談を行い、ロシア・ウクライナ戦争の終結に関する議論にウクライナが参加する必要があるとの認識で一致した。ウクライナの英字独立系メディア『キーウ・インディペンデント』などが伝えた。
会談は、15日に予定されるドナルド・トランプ米大統領とウラジーミル・プーチン露大統領による米アラスカでの首脳会談を前に行われた。ゼレンスキー大統領とカーニー首相は、トランプ大統領の終戦に向けた努力を歓迎しつつ、「国際的に認められた国境を武力で変更してはならない」とし、すべての和解には「堅固で信頼できる安全保障を含める必要がある」と強調した。
ゼレンスキー大統領は自身のSNSで「ウクライナと国民に対するカナダの支持に感謝する」と述べ、両者が「ウクライナの将来と国民の安全に関するいかなる決定も、ウクライナ抜きで行わないことで一致した」と明らかにした。
さらに「ウクライナが交渉に参加し、安全が保障されるまで、対ロシア制裁は維持し、継続的に強化されるべきだ」と述べた。
ロシアは現在、ウクライナ領のおよそ20%を占領している。2014年にクリミアを併合し、2022年にはルハンスク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソンの4地域を編入。現在もルハンスクの大部分とドネツクの約70%、ザポリージャとヘルソンの大半を支配している。2023年以降はドネツク掌握を優先し、主要都市ポクロウシクとコスチャンティニウカの占領を目指す攻勢を続けている。
15日の米露アラスカ首脳会談では、領土問題が主要議題になるとみられる。トランプ大統領は、ロシアがウクライナ領の相当部分を支配している現状を踏まえ、「一部は取り戻し、一部は交換する。双方に利益をもたらす形で領土を交換する」と述べた。ゼレンスキー大統領は今回の会談に参加せず、今後二国間または三国間での首脳会談が行われる可能性がある。
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