
イーサリアム(ETH)の価格が急騰し、4,400ドル(約65万1,470円)突破が目前に迫っている。年内には5,000ドル(約74万300円)到達の可能性も指摘され、市場の期待感が一段と高まっている。
仮想資産情報サイト「コインマーケットキャップ」によると、10日には2021年12月以来となる4,300ドル(約63万6,810円)台を回復。12日現在は4,310ドル(約63万8,290円)で取引され、1週間で約20%の上昇を記録した。先月11日時点では2,900ドル後半(約42万9,470円)で推移しており、わずか1か月で約2,000ドル値を伸ばした計算となる。
背景には、米国を中心とした機関投資家の積極的な買いがある。暗号資産マイニング大手ビットマインは「イーサリアム版ストラテジー」を掲げ、現在35億ドル(約5,180億円)規模のETHを保有。上場企業として世界首位の保有量だという。ナスダック上場のシャープリンク・ゲーミングも5月にETHを財務戦略に組み込み、直近だけで2億ドル(約296億円)を購入した。
市場関係者は、機関投資家の買い圧力に加え、大規模ショートポジション解消が急騰を後押ししたと分析。さらに、トランプ米政権が8日に401K(退職年金)での暗号資産投資を認める行政命令を発表したこと、米証券取引委員会(SEC)がイーサリアムのステーキングに関する規制リスクを事実上否定したことも強い追い風となった。
テクニカル面では、4,000ドルの「ダブルトップ」抵抗線を突破。予測市場ポリマーケットでは、今月中に4,400ドルを超える確率が85%に達し、4,600ドル突破の可能性も57%と見積もられている。年内5,000ドル到達の確率も75%に上昇した。
一方で、アルトコイン市場全体への波及は限定的との見方もある。暗号資産取引所バイビットは、機関投資家が大型資産の長期保有を選好しており、現状は「アルトコインシーズン」ではなく「イーサリアムシーズン」だと指摘している。
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