『ロイター通信』は現地時間13日、ロシアが核弾頭搭載可能な新型核推進大陸間巡航ミサイル「9M730ブレベスニク」の試験発射準備を進めていることが確認されたと報じた。

米ミドルベリー国際学研究所のジェフリー・ルイス所長と、シンクタンクCNAのデッカー・エイブリス研究員は、民間衛星企業プラネット・ラブスが最近撮影した衛星画像を分析。ロシアが試験関連の航空機や船舶を配備し、人員と設備を増強している事実を確認したと明らかにした。
衛星写真には、バレンツ海のノバヤゼムリャ諸島にあるパンコヴォ試験場とロガチョボ軍飛行場に、試験データ収集装置を搭載した航空機2機が駐機している様子が写っている。また、過去のミサイル試験で使用された船舶も少なくとも5隻確認された。
米連邦航空局(FAA)の安全通知サービスによると、ロシアは8月9日から22日を試験可能期間として明記した複数の通知を発令。
ノルウェー軍当局は「バレンツ海はロシアのミサイル試験の主要地域だ」としながらも、「準備活動の兆候は認められるが、具体的な武器試験の実施は確認できない」と述べた。
ルイス所長は、今週中にロシアが試験を実施する可能性に言及し、15日に米アラスカで予定される米露首脳会談に影響を与える可能性があると分析。一部の西側安全保障関係者も、ロシアが試験準備中であることを認めた。
ブレベスニクは、NATOが「SSC-X-9スカイフォール」と呼称するミサイルで、核弾頭搭載が可能なうえ、長時間の低空飛行によって米国のミサイル防衛システムを回避できるとされる。プーチン大統領は、射程が事実上無制限で軌道予測が不可能なため、開発当初から防衛網を無力化できると強調してきた。
専門家は、トランプ米大統領が昨年1月に「ゴールデン・ドーム」ミサイル防衛網の開発を発表して以来、ロシアがブレベスニクの開発を一層加速させたと分析。ただし、実際の防衛網回避能力は不明確で、飛行中の放射能漏出の可能性も懸念されている。
ロイター通信は、研究者や専門家の見解を引用し、今回の試験計画が米露首脳会談の発表以前にすでに決定されていた可能性が高いと報じた。一部では、プーチン大統領が米国の偵察衛星を意識して試験準備を一時中断した可能性も指摘されている。
注目の記事