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2025年08月20日水曜日
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【関税ショック】EU対米輸出が10%急減、2023年末以来の最低水準に転落

引用:ロイター通信
引用: The Wall Street Journal

今年6月、欧州連合(EU)の対米輸出が、2023年末以来の最低水準に落ち込んだ。ドナルド・トランプ米大統領の高関税政策がEU経済に直接的な打撃を与えているとの見解もある。

現地時間18日にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がEU統計機関ユーロスタットの資料を分析した結果、6月のEU加盟国27カ国の対米輸出は400億ユーロ(約6兆9,000億円)となった。これは前年同期比10%減であり、2023年末以来最低の水準だという。

米国はEU最大の貿易相手国だ。今年3月、トランプ政権の関税発表を前に各企業が商品を急いで出荷したため、EUの対米輸出は720億ユーロ(約12兆4,000億円)まで急増したが、4月に入って減少に転じた。

また、貿易収支も悪化した。5月には127億ユーロ(約2兆2,000億円)だったEUの貿易黒字総額は、6月には18億ユーロ(約3,100億円)に縮小した。

米国とEUは先月、米国に輸出されるEU製品に15%の関税を適用することで合意した。ただし、詳細はまだ調整中であり、近いうちに共同声明が発表される見通しだ。

EUの主要輸出国であるドイツは、最近の対米輸出不振により工場の稼働に支障をきたしており、経済成長にも制約がかかっているとの見方が出ている。さらにはユーロ高も進行し、EU製品の競争力が低下している状況だ。ドイツにあるコメルツ銀行のシニアエコノミストであるラルフ・ソルビン氏は「対外貿易環境は依然として平均以下の水準にある」と指摘した。

一方でユーロ圏経済は、関税ショックにもかかわらず、第2四半期に0.1%の成長率を記録した。オランダのING銀行でマクロ統括責任者を務めるカーステン・ブレツキー氏は「ユーロ高と様々な不確実性による輸出圧力が続くだろう」と述べ、「現時点で、輸出がユーロ圏成長の牽引役を再び果たせるかどうかは不透明だ」との予想を示した。

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