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【FBI危機】精鋭の象徴から「街の警察」へ?大量退職と基準緩和で揺らぐ存在意義

有馬侑之介 アクセス  

米連邦捜査局(FBI)は、要員採用基準を大幅に緩和する方針を検討している。この計画は、FBIが熟練ベテランの大量退職と同時に進められており、物議を醸している。トランプ政権は組織刷新を掲げるが、前・現職の要員からは、FBIがエリート情報・捜査機関から「ただの街の警察」に落ちぶれるのではないかとの懸念が出ている。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、21日(現地時間)、カシュ・パテルFBI長官とダン・ボンギーノ副長官は、新規採用要員に対する大学学位の要件を廃止し、訓練期間を大幅に短縮する計画を進めている。現在、バージニア州クワンティコのアカデミーで約18週間行われている新人訓練を8週間に短縮することが柱となる。この計画は、予算削減の一環として来月までに熟練要員や分析官など5,000人以上を早期退職・整理解雇パッケージで送り出す措置と連動している。この措置により、FBI特別要員の人数は約1万3,000人から1万1,000人へと15%減少する見込みだ。

引用:namuwiki
引用:namuwiki

今回のFBIの措置は、全米の法執行機関が直面する人手不足と密接に関連している。近年、米国内の多くの警察組織では、人手不足を解消するため、タトゥー規定の緩和や、過去にマリファナを使用した経歴のある応募者の受け入れなど、採用のハードルを下げる動きが進んでいる。連邦機関も例外ではなく、移民・税関捜査局(ICE)は、トランプ政権の移民取締強化方針に沿って大量の人員を補充するため、新入要員の年齢制限を撤廃し、5週間のスペイン語必修研修も廃止した。FBIも2021年に、応募者のマリファナ使用禁止期間を従来の「3年以内」から「1年以内」に短縮するなど、緩和措置の前例がある。

専門家は、今回の措置は従来の基準緩和とは「次元が異なる」と指摘している。これまでFBIは、米国随一の法執行機関としての名声を保ってきた。地域警察の捜査権が市や郡に限定されるのに対し、FBIは200件を超える連邦犯罪について州境を越えて全国で捜査権を行使できる。このため、米国のドラマや映画でよく描かれるように、大型事件の現場にFBI要員が現れると、地域警察が捜査指揮権を譲る場面は現実でも頻繁に見られる。

引用:ニューシス
引用:ニューシス

2001年9月11日のテロ以降、FBIは対テロ、諜報、サイバー犯罪、国際金融詐欺など、国家安全保障の維持を最優先任務としてきた。そのため、「4年制大学の学士号と最低2年以上の専門分野経験」という高い基準を維持して人材を選抜してきた。一度FBI要員になると、一般警察官より待遇が格段に高く、「エリートの象徴」とみなされている。2025年時点で米国警察官の年収中央値は約7万6,290ドル(約約1,133万円)であるのに対し、FBI新規要員の初任給は各種手当を含め8万4,000ドル(約約1,247万円)を超え、経験を積めば15万ドル(約約2,228万円)以上に達する。さらに、基本給に加えて法執行可能性手当(LEAP)が25%上乗せされるため、その待遇の差はさらに広がる。

引用:ニューシス
引用:ニューシス

パテル長官とトランプ政権は、今回の措置はFBIへの信頼回復の一環だと主張している。パテル長官は今年2月の就任以来、「善良な警察として働かせよ」というスローガンのもと、FBI要員をワシントンD.C.での街頭パトロールや移民取り締まり支援に投入するなど、その役割の変化を試みてきた。FBI広報官はフォックス・ニュースに対し、「パテル長官就任後、今年3月の新規要員応募者数は5,577人に達し、2016年4月以来の月間最多となった」と述べ、「新しいFBIが正しい方向に向かっている証拠だ」と強調した。

一方で、前・現職の要員からは強い反発が上がっている。元FBI対テロ高官のクリス・オリアリー氏はNYTのインタビューで、「採用基準の緩和は任務効率の低下や国際的評価の失墜を招く『世代的な破壊』だ」と批判し、「FBI指導部に現場経験者がいれば、このような決定は下さなかっただろう」と付け加えた。パテル長官とボンギーノ副長官は、歴代FBI指導部の中でも現場経験が最も乏しい。FBI特別要員や検事としてのキャリアを持つ従来型の長官とは異なり、パテル長官は法律・政策の専門家である。

引用:GoodMorningAmerica
引用:GoodMorningAmerica

NYTによると、FBI要員は、今回の措置によって金融詐欺や公務員汚職、諜報など、数年にわたって進行する複雑な事件ではなく、目に見える街頭犯罪に組織の注力が移されようする意図と捉えているという。FBI要員協会も「パテル長官が要員解雇時の適正手続きを保証するという約束を守っていない」と批判声明を発表した。

米国メディアは、採用基準の緩和がFBIの存在意義そのものを揺るがしかねないと分析している。NYTは「熟練要員約5,000人の空白を、短期訓練を受けた新入要員で埋めることで、長期的に捜査能力の低下が懸念される」と述べ、特にFBIが政治的圧力に敏感に反応する「連邦警察」と化す場合、国家安全保障に関わる捜査に深刻な空白が生じる可能性があるとの見方を示している。

有馬侑之介
arimay@kangnamtimesjp.com

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