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2025年08月25日月曜日
ホームニュースパウエルは利下げを示唆、植田は利上げ姿勢を強調…ジャクソンホールで浮き彫りになった政策の対立

パウエルは利下げを示唆、植田は利上げ姿勢を強調…ジャクソンホールで浮き彫りになった政策の対立

引用:the new york times
引用:the new york times

米国と日本の金融政策が異なる方向を示す中、23日に閉幕したジャクソンホール経済シンポジウムを受け、ドル安圧力が再び高まる可能性があると日本経済新聞が25日に報じた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、雇用市場の不安定性を理由に利下げ再開の可能性を示唆した一方、日本銀行の植田和男総裁は持続的な賃金上昇圧力を強調し、対照的な姿勢を示した。

パウエル議長は「リスクバランスが変化している」と述べ、雇用市場の減速に対する懸念を表明。市場はこれを9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げの可能性を示唆したものと解釈した。

一方、欧州中央銀行(ECB)は9月の政策金利を据え置くとの見方が優勢で、年内の追加利下げの有無に注目が集まっている。

日本銀行は1月の利上げ以降、0.5%の政策金利を維持しており、市場では秋以降の利上げ可能性が高いとみられている。

東短リサーチによると、22日時点で年内の利上げ確率は約80%に達したという。植田総裁はジャクソンホール会議で「持続的な賃金上昇圧力」に言及し、利上げ姿勢に変化がないことを示した。

植田総裁とクリスティーヌ・ラガルドECB総裁は労働力人口に占める外国人比率の重要性にも触れた。

植田総裁は日本において2023~24年、ラガルド総裁は欧州で22年から3年間、労働力人口の半分以上を外国人が占めたと述べた。

ラガルド総裁は、ドイツでは外国人労働者の貢献がなければ、パンデミック前の2019年比でGDPが6%減少していたとの分析を示した。

米国では移民取り締まりの強化により労働参加率が低下しており、パウエル議長はこれを「特異なバランス」と表現し、失業率の急上昇の可能性を警告した。雇用悪化のリスクが高まれば利下げの必要性が増す可能性がある。

金融市場では米国の利下げ圧力がドル安再開につながるかに注目が集まっている。国際通貨基金(IMF)は7月に世界経済成長率の見通しを上方修正した理由の一つとしてドル安を挙げた。

ゴールドマン・サックスはFRBが年内に3回利下げを行う場合、ドル安が新興国経済にプラスの影響を与える可能性があると分析した。

ドル安は欧州で輸入物価を下げるユーロ高につながる可能性がある。

ECBはユーロ圏のインフレ率が2026年に1.6%となり、物価目標の2%を下回ると予想している。ユーロ高により物価が予想以上に下落した場合、金融緩和論者の声が強まる可能性がある。

今後の金融政策の方向性の違いがドルにさらなる下落圧力をかけるか、市場の関心が集まっていると日経は報じた。

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