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米国の制裁が「逆効果」に?中国、“原子力自立”を加速し2030年に世界最大の原発大国へ…直近の原子炉建設の7割を独占

織田昌大 アクセス  

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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アメリカによる対中国原子力技術制裁が、皮肉にも中国の原子力技術自立を加速させたとの分析が出た。「3060カーボンニュートラル」を目指し、原子力発電の比重を急速に高めている中国は、2030年には世界最大の原発大国になると予測される。ドナルド・トランプ大統領が「原発ルネサンス」を宣言する中、米中間の技術覇権競争が原発分野でも激化する様相を呈している。

25日、香港の『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)』は、中国政府が2022年以降、毎年約10基の新規原子炉建設を承認しており、2030年にはアメリカを抜いて世界最大の原発発電容量を持つ国になるとの見通しを示した。世界原子力協会(WNA)によると、昨年7月以降に着工した最近の10プロジェクトのうち7件が中国で、残りの3件はそれぞれロシア、韓国、パキスタンである。

1981年に原子力発電所の建設を開始した中国は、当初、原発事故などを懸念し原発開発に消極的であった。しかし、2008年にアメリカのウェスティングハウスが中国国家核電技術公司(SNPTC)に第3世代原子炉AP1000の技術を提供したのをきっかけに、これを改良した独自モデルCAP1400を開発。その後、中国は原発用地を地方政府が無償提供したり、建設費用を超低金利で調達できるようにするなど、全面的な支援に乗り出した。さらに、原発で生産した電力を企業が一定期間固定価格で購入するよう義務付け、政府補助金を投入。本来「高価」であるはずの原発由来電力を安価で買い取らせるという破格の待遇を実施した。これにより、中国は原発由来電力の価格を1メガワット時(MWh)当たり70ドル(約10,321円)まで引き下げ、アメリカ(105ドル、約15,482円)、欧州連合(EU・160ドル、約23,578円)と比べても圧倒的な価格競争力を確保した。特に、中国の原発企業は、原発建設に特化した安価な労働力を背景に、アメリカや欧州、さらに韓国企業よりも低コストを維持することができた。

特に中国の「原発躍進」が短期間で目に見える成果を上げるに至った背景には、アメリカの強力な制裁措置がある。トランプ大統領の第1期である2019年、アメリカ政府は国有原発企業である中国広核集団(CGN)とその子会社3社をブラックリストに載せ、アメリカ企業がこれらの企業に部品や技術を輸出することを禁止するなど、本格的な制裁を実施。これを受け、中国は技術自立をさらに加速させた。2020年に習近平国家主席が「3060カーボンニュートラル(2030年までに炭素排出量をピークアウトし、2060年までにカーボンニュートラル達成)」を掲げた後、再生可能エネルギーの比重を急速に引き上げている。中国は、全体の電力戦略の中で原発発電の比率がこれまで約5%であったものを、2035年には10%、2060年には18%まで引き上げる方針だ。

注目すべきは、これらの目標が独自技術により達成されつつある点である。中国の「華竜1号」は海外技術を基に設計されたが、核心機器はすべて国産化された中国独自の原子炉である。福建省の福清5号機に設置され、初の商業運転を開始した。競合他社と比較してコストも20~30%削減されている。福清5号機の建設には中国国内の5,300社以上が参加し、すべての核心機器が国内で生産された。これにより、第3世代原子力発電所の建設と核心技術分野の専門家育成に大きく貢献したと、中国国内の専門家は評価している。中国原子力エネルギー協会専門委員会の副主任である趙成坤(ジャオ・チェンクン)氏は「過去30~40年の急速な発展により、中国国内の原発サプライチェーンが確立された」と述べ、「機器のおよそ90%が国産化された」と語った。華竜1号はパキスタンのカラチ原発に輸出されるなど、低価格を武器に海外市場への展開を加速させている。

中国は第4世代原発の開発にも力を入れている。水を冷却材および減速材として使用する加圧水型軽水炉(PWR)方式の第3世代原発とは異なり、第4世代原発は水以外の物質を冷却材として使用し、安全性や核廃棄物の量および危険性の低減と同時に効率を高めるのが特徴である。中国は2023年12月に、ガス冷却高速炉方式の石島湾1号機という、世界初の第4世代原発の商業運転を開始した。石島湾1号機は、中国が100%の知的財産権を保持し、90%以上の設備が国産化されているとされる。

脱原発路線を堅持していた台湾にも政策転換の兆しが見られる。台湾では23日、原発再稼働に関する国民投票が法定要件未達のため否決されたものの、投票者の74%が再稼働に賛成していた。エネルギー安全保障に対する懸念が広がる中、脱原発に賛成していた世論も変化している。蔡英文(ツァイ・インウェン)前総統も「先進的な原子力エネルギーを排除しない」と一歩譲歩した。一方、トランプ大統領は2050年までにアメリカの原子力発電容量を4倍の400ギガワット(GW)に増やす目標を掲げ、追加の原子力発電所建設を加速させる「原発ルネサンス」に注力している。

織田昌大
odam@kangnamtimes.jp

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  • ちょすな

    おから工事で爆発?

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