
政府は10月から外国人の経営ビザの取得要件を大幅に引き上げる。資本金の条件が低く、ペーパーカンパニーの設立や不動産投資、さらには不法滞在の手段として悪用されているとの指摘を受けた措置だという。
26日付の日本経済新聞によると、出入国在留管理庁は、外国人事業家が最長5年間滞在できる「経営・管理ビザ」の資本金要件を現行の500万円から3,000万円以上へと6倍に引き上げる規則改正案を公表した。
現在は、事業所を確保したうえで「資本金500万円以上」または「常勤職員2人以上の雇用」のいずれかを満たせばビザが発給される。しかし改正後は「資本金3,000万円以上」と「常勤職員1人以上の雇用」を同時に満たす必要がある。さらに経営者の経歴や学歴に関する要件も設けられ、「3年以上の経営・管理経験」または「修士相当以上の学位」が求められる。新規事業計画については原則として公認会計士など専門家の確認が必要となる。
「経営・管理ビザ」は当初、外国人の起業を促進し、経済活性化や技術多様化を図る目的で導入された。しかし近年、実体のない会社を前面に出して在留を続ける例が増え、「ビザが不正利用の温床となっている」との批判が高まっていた。法人を通じて外国人が不動産を取得し、住宅価格を押し上げているとの指摘も強い。一方で、要件の厳格化が真摯に事業を進める起業家まで排除する可能性があるとの懸念もある。専門家会議では「在留資格更新の審査を厳格化する方が効果的だ」との意見も出たという。
今回の措置については、中国籍の申請者を事実上標的にしたものだとの見方もある。昨年の経営・管理ビザ保持者は4万1,000人余りと、5年前に比べて5割増加した。そのうち中国籍は2万1,740人で全体の半数を超えており、10年前と比べると2倍以上に膨らんでいる。
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