ウクライナ、「ロシア軍、ドニプロペトロウシクへの侵入」を確認
産業要衝への脅威がウクライナの士気に打撃

ウクライナ軍当局は、ロシア軍が中部ドニプロペトロウシク地域に侵入し、拠点を固めようとしていると初めて公式に認めた。
現地時間26日、『AFP通信』などによると、ドニプロ作戦戦略軍の報道官は「ロシア軍がドニプロペトロウシクに進入し、現在も戦闘が続いている」と述べた。
ロシア側は先月、この地域内の村を掌握したと主張し、攻勢の拡大を示唆していたが、ウクライナ側は一貫してこれを否定していた。今回の発表により、状況が一層明確になった。
ウクライナの戦況を追跡する民間情報プロジェクト「ディープステート(DeepState)」は、ロシア軍がドニプロペトロウシクのザポリスケとノボフェドリウカの二村を占拠したと分析。一方、ウクライナ参謀本部は「ザポリスケは依然としてウクライナの管理下にあり、ノボフェドリウカでは激しい戦闘が続いている」と反論した。
ドニプロペトロウシク州は、ドネツク、ルハンスク、ザポリジャ、ヘルソンなど、ロシアが併合を主張する4州とは別の地域だ。戦前、この地域は人口300万人以上を抱える重工業の中心地として産業の要衝と見なされていた。
ウクライナによる今回の発表は、ロシアとの和平交渉が停滞する中で行われた点が注目される。ロシア軍の進入は、ウクライナの士気に大きな打撃を与える可能性がある。
一部の軍事専門家は、ロシアがドニプロペトロウシク地域全域の占拠を狙っているとは考えていないが、和平交渉が進展した場合、この地域の支配が戦略的に有利になる可能性があると分析している。
一方、戦争終結を目指す米国主導の外交努力も難航している。ドナルド・トランプ米大統領は最近、アラスカでロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談し、続いてワシントンでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との首脳会談を計画していると明かしたが、ロシア外務省は「会談の議題は全く準備されていない」として、事実上拒否の姿勢を示した。
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