来月3日に開かれる抗日戦争勝利80周年記念パレードを目前に、中国と台湾間の緊張関係が高まっている。台湾が公務員や退役軍人らのパレード参加を禁じる中で、中国は台湾同胞をイベントに招き、「一つの中国」というメッセージを強調している。中国は、第二次世界大戦における対日戦勝利の主体は台湾だと主張しており、中国の抗日戦争勝利記念日そのものを否定する台湾に対し、「歴史を歪曲しようとする試みは、決して成功することはない」と警告した。

台湾で対中関係を担当する大陸委員会は、14日に引き続き26日にも、政府職員および退役軍人に対しパレード参加禁止令を出した。これに違反した場合、罰金や年金の停止または取り消し、勲章没収などの処罰を受けることになる。2015年に行われた70周年パレードには国民党の退役軍人らが参加し、台湾高官として初めてレン・セン(連戦)元国民党主席も出席した。その結果、台湾では「二度と台湾に戻ってくるな」という内容の抗議デモ起きた。
台湾は、中国で活動する台湾出身の芸能人に対しても、抗日戦争勝利記念日やパレードを支持するメッセージを発信しないよう求めている。現在、20人余りの台湾出身芸能人が、SNS上で中国国営メディアのコンテンツや抗日戦争勝利記念日の宣伝投稿を行った疑いで、当局の調査を受けているという。
さらに、ライ・セイトク(頼清徳)台湾総統が、日本の降伏日である8月15日を「第二次世界大戦終戦日」と表現し、「日本の侵略」や「中国の抗日戦争勝利」といった直接的な表現を避けたことで、歴史認識を巡る論争も起きている。
中国の抗日戦争勝利記念日は、第二次世界大戦中の日中戦争(1937~1945年)の勝利を記念する日だが、台湾は、この戦争を戦ったのはショウ・カイセキ(蒋介石)と国民党が率いる中華民国政府であり、その正統な後継者である台湾こそが勝利の主体だと主張。一方で、中華人民共和国は、1949年10月にモウ・タクトウ(毛沢東)によって建国が宣言された。中国は、国民党だけでなく共産党も戦争に参加したとし、戦勝は中華民族全体の勝利だという立場だ。国際社会は、1971年に中華人民共和国が国連に加盟して以降、中国の代表権を中華人民共和国に付与したため、事実上「戦勝国」は中国とされている。
これに対し、中国の国務院台湾事務弁公室は27日、「ライ・セイトクは民族的立場を完全に失い、中国人民の抗日戦争の歴史的事実を意図的に無視し、概念をすり替え、是非を混同して第二次世界大戦の歴史を歪曲した」と非難した。シュ・レンホウ(朱鳳蓮)報道官は「歴史を歪曲しようとする試みは、決して成功することはない。戦後の国際秩序に挑戦する行為は恥辱を招くだけだ」とし、「祖国分裂を企てるいかなる策動も虚しい妄想に過ぎず、祖国統一は必ず実現する」と述べた。シュ報道官はさらに、パレードに台湾同胞を招待すると表明した。
中国共産党機関紙の環球時報も同日「台湾の人々は9・3パレードをどう見るべきか」という題名の論評を掲載し、「民進党当局は抗日戦争の歴史を意図的に歪曲し、『台湾独立』を唱えているが、これは歴史への裏切りであり、全民族の奮闘と犠牲を冒涜するものだ」と強く批判した。そして、「ライ・セイトクと『台湾独立』分離主義勢力は、国防予算を際限なく増やしており、その大半は米国製武器の購入に使われている」とし、「このような分離主義的な試みは、台湾の人々をさらに危険な崖っぷちに追いやり、台湾を少しずつ破滅へと導くだけだ」と指摘した。
論評は「しかし、台湾の主流民意は平和・安定・発展を望んでいる。9・3パレードが発する平和維持や正義擁護のメッセージは、台湾の人々の声と完全に一致する」とし、「両岸の同胞が協力して両岸関係の平和的発展を推進し、中華民族の偉大な復興という輝かしい未来を共に切り開くべきだ」として締め括られている。
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