
ドナルド・トランプ米大統領の電話会話まで盗聴したとされる中国系のハッカー集団が、少なくとも80か国の軍事施設、交通網、通信網などの重要インフラに侵入していたことがFBI(米連邦捜査局)の調査で明らかになった。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などによれば、FBIなど西側諸機関は27日(現地時間)、37ページにわたる技術報告書で「ソルトタイフーン(Salt Typhoon)」と呼ばれる中国系ハッカー集団の攻撃内容を詳細に公開した。これは中国政府と連携する「高度で継続的な脅威(APT)」攻撃者による作戦で、少なくとも3社の中国民間サイバーセキュリティ企業の関係者が関与したとされる。
報告書に記載された中国企業、四川聚信和網絡科技、北京寰宇天穹信息技術、四川智信銳捷網絡技術はいずれも中国の情報機関に関連する製品やサービスを提供している。FBIのサイバー部門の最高責任者は「米国で目撃された中で最も重大なサイバー諜報事件の一つだ」と述べ、「全米国民に警鐘を鳴らすべき事態である」と強調した。さらに、「ソルトタイフーンは100万件以上の通話記録を入手した可能性が高く、100人以上の米国民の電話会話やテキストメッセージを標的にしたと思われる」と付け加えた。
また、FBIは、米国内の主要通信事業者を含む世界約600社が既にハッキング被害を受けたか、標的リストに掲載されていることを把握しており、これらの企業に対してソルトタイフーンの標的である旨を直接通知した。
FBIが注目しているのは、ソルトタイフーンの侵入が民間通信網にとどまらず、米連邦政府が裁判所の承認を得てネットワーク盗聴を要請する際に使用されるシステムの一部にも及んでいる点である。もし盗聴データと電話・テキスト記録が組み合わされれば、より精密で多角的な情報が得られる恐れがある。FBIの責任者は「一国のみのハッキングでは得られない次元の全体像が描ける」と警告した。
さらに、FBIはソルトタイフーンの活動が特定国に限定されず、事実上全世界を対象とした監視行為に近いとみている。FBIの責任者は「ハッカーは携帯電話の位置情報を利用して、米国民の国内外における移動経路を追跡した可能性がある」と述べ、「このような世界規模の無差別攻撃は、サイバーハッキングの一般的な規範を逸脱している」と指摘した。
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