イランのリヤル通貨、1ドル当たり100万リヤル(約3,495円)を突破…史上最低記録に迫る
欧州の「スナップバック」復活でイラン経済への圧力懸念が高まる

28日、欧州諸国がイランの核開発計画に対する国連制裁の再発動を示唆したことで、既に苦境に立たされているイラン経済へのさらなる圧迫が懸念され、リヤル通貨はほぼ史上最安値まで下落した。
いわゆる「スナップバック」メカニズムと呼ばれるこの措置に対して、イランは拒否権を行使できず、30日間の猶予期間後に発効する見込みだ。発効すれば、イランの海外資産の再凍結、武器取引の停止、弾道ミサイル開発プログラムに対する制裁措置が講じられることになる。28日、テヘランではリヤル通貨が1ドル当たり100万リヤル(約3,495円)を超えた。2015年のイラン核合意締結時に1ドル当たり3万2,000リヤルであったのと比較すると、急激な為替レートの崩壊を示している。史上最安値は4月に記録された1ドル当たり104万3,000リヤル(約3,645円)だった。フランス、ドイツ、イギリスは8日、イランが6月にイスラエルとの12日間の戦争を開始したことに伴い、国際原子力機関(IAEA)の査察を中断したため、スナップバックが発動される可能性があると警告していた。
イランは当初、欧州からの警告を受けた後も数週間にわたり、制裁再開の脅威を軽視し外交活動をほとんど行わなかったが、ここ数日になって外交努力を強化し、イランの神政体制内部の混乱が浮き彫りになった。アッバース・アラグチ外相は先週、国営IRNA通信に対し「交渉だけでは戦争を防ぐことはできない。時には戦争が避けられず、外交だけでは戦争を阻止できない」と語った。
問題はイランのウラン濃縮にある。6月にイスラエルとの戦争が始まる以前、イランは核兵器級の90%には達していないものの、最大で60%までウランを濃縮しており、複数の原子爆弾を製造できるほどの高濃縮ウランを保有していると見なされていた。
コメント0