
ウクライナ軍参謀本部は31日(現地時間)、ロシア軍が前日に発表した今年上半期の戦果について、「希望的観測を現実として偽る露骨な虚偽だ」と一蹴した。ロシア軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長は前日、今年3月以降、ウクライナで3,500平方キロメートル以上の領土と149の村落を制圧したと発表していた。
ゲラシモフ総長は、ロシア軍が現在ウクライナ東部ルハーンシク州の99.7%、ドネツク州の79%、南部ザポリージャ州の74%、ヘルソン州の76%を占領しており、ルハーンシク州の完全掌握には60平方キロメートル未満の「解放」区域が残されていると述べた。さらに、南東部ドニプロペトロウシク州おいても進軍中で、北部スームィ州では210平方キロメートルの領土と13の村落を制圧し、ハルキウ州のクプヤンシクもほぼ包囲したと付け加えた。
しかし、ウクライナ参謀本部は同日、テレグラムのチャンネルで発表した声明において、クレムリン(ロシア大統領府)の季節攻勢はほぼ成果を上げず終わったとし、ゲラシモフ総長の主張とは裏腹にロシア軍は主要都市のいずれも完全に掌握できていないと反論した。ウクライナ参謀本部は代わりに、今年初めからハルキウ、ルハーンシク、ドネツク地域で行われた無意味な戦闘により、ロシア兵約21万人が死傷し、2,174台の装甲車、1,201台の戦車、7,303門の大砲、157基の多連装ロケットシステムが破壊または損傷したと主張した。
さらに、敵軍がスームィ州とハルキウ州で「安全地帯」を構築したという虚偽の主張は、袋小路に陥り数万人の犠牲者を出した作戦失敗を隠蔽する試みに過ぎないと一蹴した。また、占領軍が示した占領地域や村落の規模は大幅に誇張されているとし、今年初め以降、ロシアが達成した唯一の100%検証可能な事実は、自国兵士29万1,000人余りの犠牲者数であると強調した。そして、ゲラシモフ総長の報告はクレムリンが示す虚偽と傲慢の典型例であり、クレムリンのプロパガンダはロシアの春・夏作戦の失敗を隠すには不十分であると述べた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も同日、SNSの「X(旧Twitter)」で、戦線全体で今年初めの8か月間にロシア軍が死傷者を合わせて29万人以上を出し、その大半がドネツク地域で発生、なおかつ一つの戦略的目標も達成できなかったと強調した。ゼレンスキー大統領は、戦線の特定区間で現在安定化措置が進行中であるとし、ウクライナ防衛に必要な積極的な作戦を継続するとともに、新たな深層打撃作戦も計画していると付け加えた。
両陣営が戦果を巡って駆け引きを続ける中、30日から31日にかけて、ロシアのドローン(無人機)攻撃によりウクライナ南部オデーサ近郊の電力施設4か所が被害を受けたと、オデーサ州知事と電力大手DTEKが明らかにした。この攻撃により2万9,000世帯で停電が発生したとロイター通信が伝えた。オデーサ州のオレフ・キペル知事は、重要インフラ施設が発電機で稼働しているとし、今回の攻撃で1人が負傷したと発表した。
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