
米国が最新の中距離ミサイルシステム「タイフォン」を日米合同訓練期間中に日本へ配備する可能性が浮上し、中国が強く反発している。中国国防部の張暁剛報道官は28日(現地時間)の定例記者会見で、「日本の陸上自衛隊と米海兵隊が来月の大規模実戦訓練でタイフォンの配備訓練を行う可能性がある」と述べた。
米ロッキード・マーティン社製のタイフォンは最新の地上発射型・中距離ミサイルシステムで、巡航ミサイル「トマホーク」や新型迎撃ミサイル「SM-6」など多様な弾頭を搭載できる。2024年にフィリピン・ルソン島にタイフォンが前線配備された際、中国は強く抗議していた。

張報道官は今回の記者会見で、「軍事・安全保障分野では言動に十分注意すべきだ」と警告し、「日本が再び軍国主義の道を歩むのではないかと、世界が大きな懸念を抱いている」と述べた。さらに、「日本は『中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念式典』を目前に、歴史的教訓を十分に学ぶべきだ」と強調した。中国は来月3日の戦勝記念日80周年を祝う大規模な軍事パレードを控え、連日日本への批判を強めている。

今回の記者会見では、日本が4月以降、尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺海域のパトロールに大型無人機(ドローン)を使用している点についても質問が出た。張報道官は、「釣魚島とその付属島嶼は中国固有の領土だ。日本は釣魚島情勢を不必要に複雑化させるのを止めるべきだ」と述べ、「中国は引き続き有効な措置を講じ、国家の領土主権と海洋権益を断固として守る」と回答した。731部隊など、旧日本軍の戦争犯罪に関する論評で、「日本は歴史的な罪責を深く反省し、残された化学兵器の処理を迅速に進め、中国の人々に早期に安全な土地を返還すべきだ」と明言した。
中国が大々的に宣伝する今年の戦勝記念日の大規模軍事パレードには、北朝鮮、中国、ロシアの指導者が一堂に会するとされ、国内外から注目を集めている。北朝鮮の金正恩国務委員長の中国訪問は2019年以来6年ぶりで、多国間外交の舞台での初登場となる。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナ戦争に関して米国の和平協定圧力にも動じず、占領作戦を継続している。

中国の軍事パレードを機に、金委員長とプーチン大統領の会談にも注目が集まっている。最近、韓国のイ・ジェミョン大統領が米国のドナルド・トランプ大統領および日本の石破茂首相と相次いで首脳会談を行い、日米韓同盟を強化する中、北朝鮮が中国およびロシアとの関係強化を図るとの見方も出ている。
中国外務部によると、今回の式典には金委員長とプーチン大統領を含め、カンボジアのノロドム・シハモニ国王、ベトナムのルオン・クオン国家主席、カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領など、外国の国家元首および政府首脳26名が出席する。中国政府の招待を受けた韓国からは、イ大統領ではなく、ウ・ウォンシク国会議長が出席する予定だ。
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