
米国がイラン産石油をイラク産と偽って密輸した疑いのあるイラク系企業に対する制裁を発表した。米財務省は2日(現地時間)、公式サイトで「財務省外国資産管理局(OFAC)は本日、イラクとセントクリストファー・ネービスの二重国籍を持つ実業家、ワリード・アルサマライ氏(Waleed al-Samarra’i)が運営する海運会社および船舶ネットワークを制裁対象にした」と明らかにした。
米国務省も声明を発表し、「米国はイラン政権への資金流出を阻止するため断固たる措置を講じている。イランの不法石油取引を支援する勢力に対し、利用可能なあらゆる手段を躊躇なく活用する」と述べた。制裁対象は、アルサマライ氏とアラブ首長国連邦(UAE)所在の物流会社「Babylon Navigation DMCC」、エネルギー会社「Galaxy Oil FZ-LLC」、およびリベリア国籍のタンカー9隻である。
財務省の発表によると、アルサマライ氏は米国など国際社会の監視を逃れ、海上でイラン産石油とイラク産石油を混合した後、各国にイラク産として販売してきたという。財務省は、イラン政権とアルサマライ氏がこの手法で年間約3億ドル(約446億3,988万円)の収益を上げていたと推定している。
米国のスコット・ベッセント財務長官は「財務省はイランの石油収入源を標的にすることで、米国および同盟国に対するイラン政権の攻撃能力を弱体化させる」と述べた。さらに「我々はイランからの石油輸入を阻止するため最善を尽くし、テヘランによる米国制裁回避の試みを阻止する努力を続ける」と付け加えた。
米国は英国・フランス・ドイツ(E3)によるイランへの国連制裁復活(スナップバック)圧力を歓迎し、イランとの核協議再開を推進している。しかし、イランは「米国は当初から誠意を示さなかった。我々は米国が支援するシオニスト政権(イスラエルのネタニヤフ政権)の侵略に直面している事実を考慮すべきだ」として距離を置いている。
特に2015年の合意(包括的共同作業計画・JCPOA)参加国であるロシアと中国はE3の措置に反対しており、イランは「ロシア・中国と引き続き接触し、国益に合致する措置を講じるため最善を尽くす」と述べ、中国・ロシアを取り込もうとしている。
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