クローム売却回避…グーグルはサービス維持へ
生成AI台頭で判決の厳しさ緩和
昨年の検索市場における反トラスト訴訟で、グーグルは違法な独占行為が認定されたものの、オンライン検索での支配力を緩和することを条件とした会社分割命令は回避された。
2日(現地時間)、『ファイナンシャルタイムズ』など海外メディアによると、アミット・メタ米連邦裁判所裁判官は、AIチャットボットがグーグル検索エンジンに与える脅威が自身の判断に決定的な影響を与えたと明かした。AIチャットボットが検索エンジンに大きな脅威となる状況を踏まえ、裁判官は当初の会社分割判決から厳しさを和らげたものである。
昨年8月、米国司法省は、グーグルがオンライン検索で不当な独占を維持しているとして、クロームブラウザの売却、さらに必要に応じてアンドロイドOSの売却も求めていた。

今回の命令は、「アップル」などとの広告収益分配契約を全面的に禁止するなど、投資家が懸念していた極端な措置には至らなかった。この報道を受け、グーグルの親会社「アルファベット」の株価は時間外取引で約8%上昇し、アップルも3.3%上昇した。
アミット・メタ裁判官は判決文で、「生成AIの登場が本件の流れを変えた」と述べた。裁判所は、グーグルがクロームブラウザの運営を維持できる一方で、排他的契約の締結や検索データの独占を禁止する条件を付けた。この措置は、「ジェミナイ」などの新型生成AI製品にも適用される。
グーグルは検索やその他の製品を、「アップル」や「サムスン」といった企業のスマートフォン上で維持するために収益を分配できるようになった。ただし、契約期間は最長1年に制限される。また、パートナー企業は他社の検索エンジンや生成AI製品を顧客に提供することを妨げてはならない。
裁判官は、グーグルがクロームやアンドロイドを不当な制限のために利用していないとして、主要資産の強制売却を求める政府側の要求は過剰だと指摘した。さらに、生成AI技術が市場に与える影響を考慮し、今回の命令の適用期間を5年に限定した。
グーグルはクロームやアンドロイドといった主要資産を維持できることとなり、クローム売却時に買収を望んでいた「パープレキシティ(Perplexity)」の要求は実現不可能となった。パープレキシティは最近、クローム買収の意向を示し、345億ドル(約5兆1,300億円)という具体的な買収額を提案していた。
一方、検察は今月末にバージニア州の裁判所で始まる第2段階の裁判で、グーグルのオンライン広告事業の中核部門の売却を求める方針だ。グーグルの弁護団は、競合他社にリアルタイムの広告取引データを共有する意向は示しているものの、事業部門の売却については考えていないとしている。
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