
大統領選での敗北を認めず、クーデターを計画した疑いで起訴されたジャイール・ボルソナーロ前ブラジル大統領の裁判手続きが、来週中に終了する見通しとなった。
米『CNN』や英『ガーディアン』などの報道によると、ブラジル連邦最高裁判所は2日(現地時間)午前、ボルソナーロ前大統領や軍幹部ら8人に対する最終弁論手続きを開始した。
事件の重大性を踏まえ、憲法上の「特別裁判管轄権」制度に基づき、最高裁が直接裁判を担当する。裁判は12日までの約2週間で弁論審理を終え、判決が下される見込みだ。
検察は、ボルソナーロ前大統領が2022年の大統領選で落選した後、軍部の介入を促し、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領、ジェラルド・アルキミン副大統領、最高裁判事らに対する暗殺計画を企てたとみている。
また、ボルソナーロ前大統領は、自身のクーデター関連の捜査や裁判手続を妨害するため、ドナルド・トランプ米政権などの外国勢力の介入を画策したとして、司法妨害の容疑も追及されている。
海外メディアによると、最高裁がボルソナーロ前大統領に有罪判決を下した場合、40年以上の禁錮刑が科される可能性があるという。
主任判事を務めるアレクサンドル・ジモラエス最高裁判事は「このような犯罪を罰さなければ、新たなクーデターを招く恐れがある」と述べ、「歴史は、罰されないことや放置、臆病さでは平和は維持できないことを教えている」と強調した。
一方、ドナルド・トランプ米大統領の動向も国際社会の注目を集めている。
トランプ氏は7月、ルーラ大統領宛ての書簡で、ボルソナーロ前大統領の起訴を「魔女狩り」と批判し、即時中止を要求した。その後、50%の関税賦課を発表する際にも、この問題を理由の一つとして挙げている。
トーマス・シャノン元駐ブラジル米国大使は「トランプ大統領の狙いは、ボルソナーロ大統領の起訴を無効にし、政治経歴を復活させることで、来年の大統領選でルーラ大統領に挑戦できるようにすることだ。しかし、それを信じるのは誤りだ」と指摘した。
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