
米連邦裁判所は、トランプ政権によるハーバード大への助成金停止を違法と判断した。CNN、アクシオス、ワシントン・ポスト(WP)などの米メディアによると、マサチューセッツ州の連邦地裁のアリソン・バローズ判事は3日(現地時間)、ハーバード大学と米国大学教授連合(AAUP)がトランプ政権を相手取って提起した訴訟において、原告側の主張を認めたという。
判事は、ハーバード大学に対する助成金20億ドル(約2,963億5,140万円)の打ち切りというトランプ政権の決定が、憲法修正第1条に違反すると判断した。同条は宗教の自由をはじめ、言論、出版、集会の自由を保障している。さらに、トランプ政権の措置が「DEI(多様性・公平性・包括性)」プログラムの終了に応じなかったことへの報復であるとの原告側の主張も認められた。バローズ判事は、この措置を「違憲的な条件付け、違憲的な強制」に該当すると判断した。
学内の反ユダヤ主義対策であったというトランプ政権の主張は退けられた。バローズ判事は、「行政記録を検討した結果、被告はイデオロギー的動機による標的攻撃を隠蔽するために反ユダヤ主義を利用した」と指摘した。さらに、「遅ればせながら、ハーバード大学は現在、反ユダヤ主義に対処するために必要な措置を講じている」とし、必要であれば追加措置を取る意向も示した。
バローズ判事は、これらを根拠に「ハーバード大学に対するすべての助成金の凍結および停止は無効であり、取り消される」と結論付けた。CNNはこの判決を、「トランプ政権との闘いにおいて、ハーバード大学が画期的な勝利を収めた」と評価した。一方、トランプ政権は即時控訴の意向を表明した。ホワイトハウスのリズ・ヒューストン報道官は声明で、「ハーバード大学は長年にわたり学生をハラスメントから守れず、学内に差別が蔓延してきた」と批判し、即時控訴する方針を示した。
トランプ政権は4月、ハーバード大学に対し、「米国の価値観に合わない学生の入学制限」を含む10項目の要求を突きつけていた。反ユダヤ主義的なイデオロギーを助長するプログラムの監査やDEIプログラムの廃止も要求していた。その後、トランプ政権がこれらの要求が満たされていないとして20億ドル相当の助成金停止を発表したことを受け、ハーバード大学は政府を相手に訴訟を提起した。
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