イスラエル、ガザ市の40%を制圧 攻撃拡大を表明
イスラエル軍、ガザ地区北部で制圧進展を確認
住民約100万人に南部への避難呼びかけ

イスラエル軍は、先月からパレスチナ自治区ガザ地区最大の都市ガザ市への攻撃を強めており、現在ガザ市の約40%を制圧したと発表した。
イスラエル紙「タイムズ・オブ・イスラエル(TOI)」によると、軍のエフィ・デフリン報道官は4日(現地時間)の記者会見で「我々はガザ市の40%を掌握している」と述べ、さらに「今後数日間で攻撃は一層拡大し、強化されるだろう」と語った。
ガザ地区はエジプト北部国境から地中海沿岸にかけて細長く広がる地域で、面積は約365平方キロメートルである。イスラエル軍は1967年の第三次中東戦争以降、38年間にわたりガザ地区を支配したが、2005年に完全撤退した。2023年10月にイスラエルと武装組織ハマスの戦闘が始まる以前には、同地区には約230万人が居住していたとされ、現在ガザ市には約100万人が残っている。
これまでイスラエルは、ガザ地区の主要回廊付近に緩衝地帯を設け、ハマスの拠点を攻撃した後に撤退する作戦を展開してきた。しかしベンヤミン・ネタニヤフ首相は、人質救出が難航していることを受け、昨年5月からガザ地区を恒常的に掌握する方針へ転換した。先月7日の閣議では、ガザ市を含む北部地域を制圧し、住民を南部へ避難させたうえで、北部でのハマス掃討と人質救出作戦を強化する方針を決定した。
イスラエル軍は4日もガザ市を爆撃し、少なくとも30人の住民が死亡した。軍高官は「攻撃の拡大により、ガザ市の住民全体が南部へ追いやられることになる」と見通しを示している。
一方、国連児童基金(ユニセフ)のテス・イングラム中東・北アフリカ局長は4日、米国の国連本部での報告で「ガザ市は恐怖と逃避、葬儀が連鎖する都市となっている」と警鐘を鳴らした。さらに「ガザ市に残る約100万人の未来は、想像を絶する最悪の惨劇となりかねない。我々はこれを阻止するため、全力を尽くさなければならない」と訴えた。
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